1997/05/25 Sunday Song Book「Jazz特集 Part.2」

達郎書き起こしプロジェクト by ロック軍曹とサーカスタウン

1997/05/25 Sunday Song Book「Jazz特集 Part.2」

ゲスト：佐山雅弘(piano:現PONTA BOX)」
＃これ結構おどろきましたが。

山下達郎&佐山雅弘/Angel Eyes 1997 *1
山下達郎&佐山雅弘/I've Got You Under My Skin 1997 *1
The Oscar Peterson Trio/The Days Of Wine And Roses 1965『We Get Requests』*2
土岐英史/In A Sentimental Mood 1992『In A Sentimental Mood』*3

*1 TOKYO-FM Recording Studioで収録。
*2 O.Peterson(p),Ray Brown(b),Ed Thigpen(ds)
*3 土岐英史(as),鈴木宏昌(p),桜井郁雄(b),日野元彦(ds)

トピックス(内容などをかいつまんで)

・前半はゲストの佐山氏を向えての「Jazz入門(対談＆Session)」。Studioで
の録音。佐山氏とはほぼ同世代であり、古くからの面識はあったが、最近の
PONTA BOXのLIVEに達郎氏が客演したのがはじめての共演。

・佐山「はじめはClassicのpianoをやっていたけど、中二の頃に映画「グレン・
ミラー物語」のBoogie Woogie Pianoのシーンを見て関心を持ち、Jazzを知っ
ている人からCount Basieのレコードを勧められたのがJazzの世界に入ったきっ
かけ。」
山下「Count Basieから入るなんて恵まれた環境だね。」

・山下「Jazzの一番のポイントはimprovisationだと思う。クラシックにもカ
デンツァと呼ばれる自由な部分もあるけど、演奏者への比重が全然違う。」

・Jazzのアドリブとは何かを説明するために、佐山氏が「Somewhere Over The
Rainbow」をさわりだけ、４パターン程演奏。オリジナルスコアの形式から段々
コード、メロディーを壊していく様子を示す。

・山下「Jazzをやっている人は、フリーをやる人やフュージョンの人、堅い４
ビートの人とかいろいろなスタイルがあるけど、そもそもああいう違いはどこ
から来るんだろう。やる人の趣味なんでしょうか？」
佐山「趣味もあるけど、演奏する場、呼ばれる場によって次第に固まってく
るんじゃないだろうか。Jazzの人は呼ばれたらなんでもやるから。」

・佐山「アドリブさえ出来れば誰とでも出来る。アメリカやヨーロッバへ行っ
たもsessionできる。」
山下「曲は素材でしかない。だから曲だけ決まればJazzは出来るし、誰とで
も音楽の友達になれる。フリージャズだったら曲さえもいらない。」

・佐山「アドリブってのは最終的なフリーな方向に向かわざるを得ないと思う。
でもフリージャズをやればいいかっていうとそうでもないけど。」

・佐山「好きなレコードはChick Corea(Return To Forever)の『浪漫の騎士
(Romantic Warrior)』(1976)とOscar Petersonの『We Get Requests(邦題：プ
リーズ・リクエスト)』(1965)」

・山下「個人的にはJazzへのコンプレックスが強い。Rockに比べると音楽的な
グレードが高いと思っている。菊地雅章さんのLiveを見た時にも演奏力に圧倒
されたし、Jazzにはかなわないという挫折感からRock'n'rollへ行ったという
ところもある。だからJazz Musicianへの憧れは強くて、Jazz Pianistの様に
一人で出来る、一人で完結できる部分に羨ましさを感じる。」

・佐山「自由なアドリブから社会意識にまで結びつけたりするのは日本人なん
じゃないのかな。アメリカ人だと根底に常にショーという部分があるんだけど。
我々は古くからJazzはこうあるべしというのを植え付けられてしまっている。」
山下「こんなのはJazzじゃないとか、魂を売り渡したとか。そういうのは
Rockの世界にもある。日本人にはある種の教条主義というものが根強い。」

・佐山「Jazzは結局のところ、やっている人間が一番楽しいんじゃないかな。」
山下「Jazzって、聞き手にある程度の音楽的素養がないと楽しめないところ
がありますね。」

・山下「Piano Playerは演�家であると同時に優れた作曲家、編曲家である訳
ですね。」
佐山「その場限りのね。そういう刹那的なところがいい。」

・山下「(Sessionのテープを聞いた後で)佐山君のプレイは、華麗なんだけど
決して歌を邪魔しない。不思議不思議。なんでそんなことが出来るんだろう。」

＃思い出しながら書いたので、結構違っているかも。そうだったらすみません。

プレゼント
Jazz特集にちなんで,Warnerから出ているコンピレーション『Hits Jazz 1』
『2』をセットにして、５名にプレゼント

今後の予定ですが
・6/1は「棚からひとつかみ」
とのことです。

また、来月はBridal月間ということで、山下家の曲にちなんだ結婚の思い出、
山下家の曲を披露宴で使った話などがあれば、番組で紹介するそうです。

circustown.net による放送書き起こしです。文責 circustown.net。抜け誤りはお知らせください。