達郎書き起こしプロジェクト by ロック軍曹とサーカスタウン2000/06/18 Sunday Song Book「父の日特集」
山下達郎/Juvenileのテーマ〜瞳の中のRainbow 2000/07/12 発売予定 Single *1
Cliff Richard/Daddy's Home 1981『Wired For Sound』*2
The Temptations/Papa Was A Rollin' Stone 1972『All Directions』*3
The Chi-Lites/Let Me Be The Man My Daddy Was 1969『Give It Away』*4
Emmylou Harris/To Daddy 1978『A Quarter Moon In A Ten Cent Town』*5
桑田佳祐/僕のお父さん 1994『孤独の太陽』
忌野清志郎/パパの歌 1991 Single *6
*1 東宝映画「ジュブナイル」主題歌。マキシCDシングル。
c/w「アトムの子(Live Version)」。
*2 Heartbeats「Thousand Miles Away」のアンサーソング(Shep & The Limelites、
リーダーのJames Sheppard作。1961年に全米No.2)のカバー。
他にJackson Fiveもカバー。
全英No.2。コーラスアレンジがTony Riversという噂があるが不明。
*3 全米No.1。グラミーのSong of the Year。Norman Whitfield作、プロデュース。
*4 デビュー当時のヒット。
*5 Dolly Parton作詞作曲。
*6 達郎氏は1993年と言ってましたが、1991年発売。1993年の編集盤『abcd』に
収録。(作詞は糸井重里)
一節
Papa Was A Rollin' Stone
内容の一部(鈎括弧内は達郎氏のコメント)
・7月のイベント
チケット前売り、めでたく終了。
Q:今度のイベントは達郎さんにとって始めての武道館?
「その通りです。奥さんを含めて私以外のメンバーは全て武道館経験者。私だ
けがビギナー(笑)。私は教えを乞いつつやりたいと思っております。もちろん
大阪城ホールも初めて。」
・次のシングル
「ジュブナイルの次のシングルもめでたくCMサイズが出来上がり、先様にお渡
しすることができた。秋なのでずーっと先。」
・Q: 「ジュブナイルのテーマ」のバックにチリンチリン鳴る音は?
「インドのベル。紐に沢山にくっついている。私はベルコレクターなので、紙
袋にいっぱい詰め込んでいる。何かの折にスタジオで横に大きく広げて、テー
プをかけながらそれを指でヒラヒラヒラと、それを1曲ずっと鳴らしている。
ご苦労さんなことです。」
・Q: 「ジュブナイルのテーマ」の各楽器は?
「今回は全部一人です。コンピュータの同期プラス自分のギター、コーラス、
キーボード、その他。」
・Papa Was a Rollin' Stone
「大変暗い内容。Rollin' Stoneとはこの場合、いい加減な男、ダメ男、風来
坊の意味。お父さんの死を知らされたお母さんと子供の会話。子供がお父さん
についての悪い噂をすると、お母さんは「うちのパパはローリングストーン。
帽子を置いたところがうちになってしまう。死んだ後に残るのはローンだけ。
女と酒がすべてのぐうたらだった。」救いようのない歌だが、これがTemptations
の激しいタッチのヘビーなテーマを扱ったものとしては白眉の名作。Norman
Whitfieldの書いたワンコードソングで、長い曲だがこれを全部聞かないと重
さが伝わって来ない。イントロがでたらめに長い。いつ一体歌が始まるのか全
然わからない。これが又この曲の緊張感を異様に高めている。リードボーカル
のDennis Edwardsがいつ歌が始まるのか判らないので怒ってしまう。始まった
かと思うとまたストリングスが入る。あまりに怒って、いつもと違う重い感じ
で歌い出したのがまたこの曲に合ってしまう。」
「アメリカのゲットーなどに住む低所得者層は、男の人が情けなくて、定職に
付けない、10代で複数の女の人を妊娠させてしまう。そういうことが70年代の
頭からずっと問題になっていた。そういうことを歌った歌で、黒人の男性への
叱咤やアジーテションを試みた歌と思われる。」
・Let Me Be The Man My Daddy Was
「Temptationsのとは正反対の内容。お父さんへの讃歌で、亡くなった父親を
偲んで、僕もお父さんのような男になりたいという、明るくポジティヴな歌。」
「「欠点もあったし、失敗もしたけど、何でも与えてくれたし、僕を愛してく
れた。お父さんのような男に僕もなりたい。」といういい内容の歌。心に染み
る一曲。」
・To Daddy
「熟年離婚をテーマにした曲。「お母さんは母親と妻以上のものは何も望んで
いなかったように思えた。お母さんの人生にたった一つ大切だったことは、家
庭を築き、私たちを幸せにすること。それ以上のものは決して望んでいないよ
うに見えた。お父さんはしょっちゅうお母さんを放ったらかしにしていたけど、
それでもお母さんは気にしてなかったように見えた。もしそうじゃなかったの
なら、お母さんはお父さんにそれを言わなかったということ。お母さんはお父
さんと違って、花とバースデーカードを絶対に忘れなかった。お父さんがお母
さんにキスもしないし、だきしめてもあげなかったことだって、お母さんは気
にしてないように見えた。もしそうじゃなかったのなら、お母さんはお父さん
にそれを言わなかったと、そういうこと。ある朝、私達が起きるとお母さんは
"子供たちも大きくなって、私を必要としなくなったので、私は愛を探しにこ
こを去る"と手紙を残していった。彼女は二度と帰って来ないように思える。
もしそうじゃなかったのなら、お母さんはお父さんにそれを言わなかったとい
うことだけ。」夫に不実に耐えかねて、子供の成長とともに家を出るという内
容。」
・日本の曲
「言葉と一緒になるものなので、本当はもうちょっと日本語の曲を多めにやり
たかったが、先程の「Papa Was A Rollin' Stone」や「To Daddy」に匹敵する
ような思想的な質をもった作品がほとんど見当たらなかった。そうした中で桑
田さんのこの作品は、ここまでかけた曲と質的に同等の緊張感をもった名曲だ
と思う。」
「自分の曲で終ろうと思ったけど、お父さんの歌が全然ないので。昔から書い
て見ようとは思っているのですが、なかなか書けません。機会があれば挑戦し
たいと思います。来年は母の日もいいな。」
「やっぱり詞・曲・編曲・演奏・歌唱、皆そろっている好みの邦楽は中々あり
ません。やはりきちんと作られたものじゃないと自分の好みに合いませんので。
どうやっても「日本の未来はイエイエイエ」とかそういうのは私の人生に必要
ないということがよくわかります。最後の忌野さんのこの曲は素晴らしい曲だ
と思います。お父さんへの讃歌です」
今後の予定ですが
・6/25は「ジューンブライド特集」。予定は未定。お便りをいただければ番組で
お祝いのメッセージをお送りするとのこと。
・7月には夏期集中講座でソングライター月間を予定。Leiber & Stollerから始
めてCarole Kingにも挑戦したい。わがままリクエストも予定。
circustown.net による放送書き起こしです。文責 circustown.net。抜け誤りはお知らせください。
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