達郎書き起こしプロジェクト by ロック軍曹とサーカスタウン

SSB 2001/01/14 「新春放談 パート2 (ゲスト:大滝詠一)



1.山下達郎/幸せにさよなら 1976録音
2.小林旭/オレに逆らうな  19??
3.大滝詠一/カナリア諸島にて  1981「A Long Vacation」
4.Jerry Reed / Country Boy's Dream 1971
5.The Novas / Crusher 1963
6.鈴木やすし / 社長さんはいい気持ち  19??
7.The Legendary Stardust Cowboy / Paralyzed 19??

*1 山下達郎のみのボーカルトラック。ただしコーラスは伊藤銀次
  笛吹銅次ミックス
*2 コロムビア
*4 Jerry Reed 作曲及びギターソロ
*5 全米最高88位
*6 作者は浜口庫之助

 
 山下「TinPanは再結成するし、皆出してるのに、普通逆じゃないか?と。
    大滝さんの方がこっちやって、細野さん達が出してるのは変だなぁ
と。」
 大滝「変とは言ってないけど...あのー、ねぇ、僕はもう少し出てても良かっ

    ような気はしますけどねぇ。」
 山下「色々とね?」
 大滝「昔から考えてみると、やる方だったのにねぇ。
    どうして、やんない方かなぁと思って、良く考えてみたんですけども
    やっぱり、そのさっきの、あの“ぬれ縁”の話じゃないですけどねぇ、

    “出す方向”とかですねぇ、あるいは“売れる方向”とか言うことで
    考えますと、あのー、一つも私に記録がなくなる事になります。」
 山下「なんだそれ!なんの?」
 大滝「いや、例えば売れる枚数だとか。ロングセールスも“クリスマス・イ
ブ”
    には、もう圧倒的に誰もかなわないし、これから年令うんぬんなんてい
うのも
    君と桑田君なりねぇ、ユーミンさんなり、色んな人がいるから、
    年令は若い人の方がみんなチャンスが多いから全部、その、君らより上
の世代はねぇ
    記録が全部越されるんだよ。」
 山下「なんだよ、それ。」
 大滝「でー、なんか一つぐらい無いかと。自分自身で日本歌謡史上に持てる記
録は。
    “やらない方向”から考えるしか無いなと。」
 山下「文字どおりのネガティブ・プロモーションってヤツですね。」
 大滝「これなら、今のところ、ちょっとイイ線いってんじゃないですか?」
 山下「ふ〜ん...。」
 大滝「どないでっか?」
 山下「何も言えませんね、僕には」
 大滝「それを記録として認めてくれるか良くわかんないけどね(笑)」
 山下「だから、それは、えーっと、この次に出す時の記録としてある訳でし
ょ?」
 大滝「そうなんだと思うんだよね」
 山下「そうすると、後3年てことは、文字どおり20年ぶりと言う。」
 大滝「20...う〜ん、まぁそういう“ぶり”って言うよりも、実際やっぱり20
年間無くてねぇ
    どんなんが出来んのかねぇ。」
 山下「数奇な人生だよ、ホントに。」
 大滝「なーに、言ってんだか。」

・庭が終わったら何になるんでしょう?
 「外に出始めている。寺巡りとか、歩きたいんだよね」
   ・
   ・
   ・
・大滝さんの飲んでいる水を見つけて
 大滝「まぁ、水を飲んでいればね、あのー...」
 山下「“仙人秘水”って何それ!」
 大滝「ンッンッンッンッ...」
 山下「何これ!」
 大滝「だから、これを飲んでいればね」
 山下「ちょっと見して、これ」
 大滝「だからさ、死なないんだよ」
 山下「何これ?どこで出してんの?」
 大滝「なんで、こんなウケるんだよ。こんなとこで、もう...」
 山下「最高ーっ、もう!」
   ・
   ・
   ・
仙人秘水の能書きを読む達郎さん
   ・
   ・
   ・
 山下「いつも飲んでんですか?」
 大滝「飲んでるよ」
 山下「これ、どっかで取り寄せるんですか?それとも近所で売ってんです
か?」
 大滝「いや、取り寄せて」
 山下「珍しいね...どこで知ったんですか、この“仙人秘水”って?
    これだ!と思ったんでしょ?」
 大滝「思ったよ」
 山下「アッハッハッハッ...ウケすぎ」
 大滝「別に...だから...タマタマね、その地元だとか、そういう風に皆思うん
だろうけども
    あのネーミングが、これじゃなかったら飲まなかったよ。
    別にこれが、このネーミングだったら北海道でも、どこでも良かったん
だよ」
 山下「全国のナイアガラ・ファンの皆さん!我々が思っている以上にですね
ぇ、
    良く自覚してるんですよ、そういう事を」
 大滝「ンッンッンッンッ...」
 山下「そうかぁー、仙人秘水」
 大滝「水があればねぇ大丈夫だよ、うん。かなり生きられるよ、水で」
 山下「あのねぇ、何も僕らはヒマラヤに登ろうっつってんじゃないんですから
ね...
    凄いよな。今日、いっちばんウケた。最高!」
・オレに逆らうな
 大滝「去年はクレージーをプロデュースしましたけど、今年はですね、
    小林旭さんを行こうと思って」
 山下「へぇー」
 大滝「今年はイクよ」
 山下「あぁ、そうですか。この間、小林旭さんがBoxかなんか出たけど、やっ
ぱりあの
    面白路線は全部外れてたでしょ?」
 大滝「いや、オレが出すから、あえて...」
 山下「あっ、外れたんですか?意図して」
 大滝「いや、たぶん、そうじゃないかなぁと言う...知らないんだ、オレ。
    出てんの知らなかったから」
 山下「皆、文句言ってましたよ、あれで」
 大滝「だって、オレじゃないもの。信用しなさい、僕を」
 山下「やっぱりマジ路線しか出したくないのかなって言うね」
 大滝「いや、そんな事ない」
 山下「そんな事ないですか」
 大滝「できれば全部出そうと思ってんだから。」
 山下「はぁー、なるほど。」
 大滝「面白いよー」
 山下「解説、当然自分でお書きになる?」
 大滝「うん、一応書きますよ。マジというか、この人のホント、アキラ節は良
いからネ。
    一曲聞いてもらいたいと思うんですけれどもね。“オレに逆らうな”」

 山下「フハッハッハッハッ...」
 大滝「オレのテーマソング」
 山下「仙人秘水の次は“オレに逆らうな”?」
 大滝「そうそう。オレのテーマだと思って聞いてもらいたい。」

・「A LONG VACATION」発売20周年記念CDが3月21日にリリース
  ボーナス・トラックで「Sing A LONG VACATION」
  (分数の関係で全部入らなかった)
・書籍「All About Niagara」も3月21日に再発
  資料が増えて、厚くなった。
  これを5名様にプレゼント(気が向いたらサイン入り)

 山下「そうか、なるほどな、ロンバケの20周年記念ですか」
 大滝「そうですね」
 山下「それと本か」
 大滝「えぇ」
 山下「ベストで来ると思ったけどなぁ」
 大滝「思ったでしょう。ここがねぇ...」
 山下「いや、だから、ベストで来るってね、僕が言ったから」
 大滝「言ったらしいね」
 山下「絶対に肩透かしで何にするかっていうね...そう来るか」
 大滝「うん、自慢じゃないけど、本当は皆の裏かいて“新作”に
    するつもりだったのがなぁー、これはホントに返す返すも残念なんだ
よ」
 山下「でも、結構、実は数あったりするんですよね?」
 大滝「ん?」
 山下「あの、録ってる頭数、結構あったりするんですよね?実は」
 大滝「曲?ないよー」
 山下「いや、だからあの、ほら...」
 大滝「新作っていう意味?」
 山下「新作という意味」
 大滝「ないよ−全然曲なんて」
 山下「そうですか」
 大滝「うん」
 山下「話が違うじゃねえか...」
 大滝「フフフ、どっから変なまたウソの情報を」
 山下「情報が来るんですよ。どさくさに紛れて録ってるって...おかしいなぁ
    いや、でも僕のところですら、これぐらいのね」
 大滝「5曲入りでね」
 山下「だから僕のところですら、これぐらいのさ、情報の誤差があるんです
よ」
 大滝「ん〜、いやぁ、さすがだよな、オレのこのキープ・シークレット力は」

 山下「そういうハガキがさっきありましたよ」
 大滝「ね。あの、藤圭子の娘、なんて言ったっけ...宇多田ヒカル。
    “Can you keep a secret?”って、オレに聞いてくれ!」
 山下「ハッハッハッハッ...」
 大滝「秘密の維持力は凄いかも知れないぞ、オレは」
 山下「う〜ん、CIAか大滝詠一かってくらい」
 大滝「うん、可能性高い。そうか君んとこにもウソの情報が行ったか」
 山下「凄すぎる。ウチですら、これなんですからね、えぇ」
 大滝「だから、ほとんどの話はね。僕にまつわる話はウソだと思ってもらえ
ば」
 山下「いや、それは思ってますよ、当然」
 大滝「君じゃないんだよ、他の人」
 山下「あぁ。フフッ、いや普通の人はね、そんなに信じられませんよ」
 大滝「なんだ、そりゃ?どうゆうんだ?」
 山下「性善説の人が大変なんですからね、世の中。期待は失望の母っていう
ね。語録がね」
 大滝「これ、ダメ?」
 山下「いや、登るっていうのはね、やっぱり凄い事なんですからね」
 大滝「あぁ、そうですか。どうも」
 山下「えぇ、それを、あの、このナイアガラ・ファンの人はみんな
    それを感受してるって言うね。そうなんだろうなっていうね」
 大滝「凄いよね」

・Jerry Reed / Country Boy's Dream
 26年くらい前、福生の大滝さんの家で色んなレコードを聞かして貰った時に
 ラルフ・ギャランというドラマーがいいんだと言ってかけてくれた。
 すごくインパクトがあって、ジェリー・リードの曲というのは覚えてたので、

 もう一回聞かせてくれと言ったが、大滝さんは何だか忘れており、やっと探し
た。
 間奏は全然似てないが、深南部牛追い唄の元にした。
 ジェリー・リードのギターが実に良い。

・The Novas / Crusher
 西川のりおにカバーさせたら良いと思っていたが売り込みはしなかった。思っ
ただけ。
 「アイデア段階が楽しいッスよ」

・鈴木やすし / 社長さんはいい気持ち
 達郎さんのリクエスト?
 2年くらい前に上野で手に入れた。ジャケット付きで高かった。

・The Legendary Stardust Cowboy / Paralyzed
 「ドラムがね、わざとじゃないんだよね。ヘタで色んな事やろうとすると、
  ああなるんだよ。あれがいんだよね。最初の、初期の頃を思い出す(笑)」

・最終結論?
 山下「普通の、一般のナイアガラのファンの方だと“なんだ、出ねぇのか”っ
つてね」
 大滝「あぁ、アルバムね。あぁ、そうかなぁ...」
 山下「別に100%出ないって訳じゃあないんですよ。僕が弁護する訳じゃあない
ですけど」
 大滝「そうそうそうそう」
 山下「色々あったんですよ」
 大滝「色々あったんだよ」
 山下「言えないんですよね、それはね。だからそれだけの事なんです」
 大滝「でも、それー...別にー、あるよ。生きてりや。いつかは」
 山下「生きてりゃね。トライアングルやろうなんて、そういうのはないです
か?」
 大滝「いやぁ、誰も言ってこないもの」
 山下「いや、この間ね。ウチの女房が面白い事言ってて」
 大滝「3人で?」
 山下「いやいや、誰かとデュエットしたい人はいますか?っつてね。
    そうしたら大滝さんだって」
 大滝「あら、嬉しいね」
 山下「言ってたから、だから今度...」
 大滝「最近、人気があって、もう嬉しいよオレは。各方面、いろいろと」
 山下「年は取ってみるもんだって?」
 大滝「カバーはしてくれるしね。デュエットは?ってね」
 山下「えー、じゃ来年は...」
 大滝「あ、デュエットしましょう...なんだい、違うのか?」
 山下「そうじゃなくて。来年はこれのネタで一週間行きましょう」
 大滝「来年はもう、あの、保守本道に戻って」
 山下「でも何か、結構、でもね。オファーはたくさんあるからね。なんか
    やりそうな気がしないでもないんだけどな、オレ」
 大滝「気が向いたら、あるかも知れないけど、向かなかったら、無いかも知れ
ないなぁ」
 山下「気を向かせる人がいればいいんだよな、だからな」
 大滝「君だね」
 山下「いつでもお手伝いしますって言ってんじゃありませんか、僕は」
 大滝「あ、そうなの?」
 山下「そうですよ」
 大滝「お手伝いったって、物がないもの」
 山下「いや、だから、物はだって、大滝さんが作るしかないんだもの」
 大滝「ウソォ、持ってきてよ。のっかるだけにして。頼りにしてます、今世紀
も」

誕生日メッセージの代読、今週も割愛でした。


今後の予定ですが

・1/21は「棚からひと掴み」


circustown.net による放送書き起こしです。文責 circustown.net。抜け誤りはお知らせください。


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