達郎書き起こしプロジェクト by ロック軍曹とサーカスタウン2002/3/10 Sunday Song Book「David Gates 特集(2)」
山下達郎/ヘロン 1998『Cozy』
Connie Stevens/Lost In Wonderland 1965 *1,2
The Walker Brothers/The Girl I Lost In The Rain 1965『Take It Easy With The
Walker Brothers』 *1,3
The Blossoms/Lover Boy 1966 *1,4
Nino Tempo & April Stevens/You'll Never Be Needing Me Baby 1966『All Strung
Out』*1,5
The Manchesters/Dragonfly 1965 *6,7
Duane Eddy/Moon Shot 1965 *6,8
Glenn Yarbrough/Never Let Her Go 1965『It's Gonna Be Fine』 *1,9
Dino, Desi & Billy/Thru Spray Colored Glasses 1969 *1,10
Bread/Dismal Day 1969 *1,11
*1 David Gates作詞作曲。
*2 1965年春のシングル「Now That You've Gone」のB面曲。
*3 デビューアルバム。邦題「雨に消えた少女」
*4 Darlene Loveが居た三人組黒人ボーカルグループ。Repriseレーベル。
*5 兄妹デュオ。「Deep Purple」が有名。
*6 David Gates作曲のインスト。
*7 幽霊グループ。Vee-Jayレーベル。Arranged by David Gates.
*8 RCAレーベル。Produced by Al Schmitt, Arranged and Conducted by David
Gates.
*9 元The Limeliters。RCAレーベル。
*10 Uniレーベル。
*11 1stシングル。邦題「灰色の朝」
一節
Duane Eddy風のトワンギーギターフレーズ
Peter Gun (Duane Eddy)
内容
・ツアー
「いよいよツアーがスタートしまして、今週はツアーの前半で、もうしょっぱな
から中野サンプラザ、大阪フェスティバルホールという結構プレッシャーの強い
ところが出てきました。とは言ってもこの番組はご承知のように前倒しで録音し
ておりますので、実感がこもって発言しておりませんが。今週は火水と大阪フェ
スティバルホールに3年ぶりに伺います。これが済みますと次の広島まで一週間
ほど開きまして、ここで一息という。リハーサルから怒涛の何週間という感じで
す。この先は若干番組の前倒しも緩和されますので、もうちょっとリアルタイム
に皆様のお便りなどを紹介できることと思います。」
・ラジオの声
Q:最近達郎さんのラジオの声が不機嫌そうに聞こえるのですが、何かお疲れにな
っているのではないでしょうか?
「ここ1年ぐらい前に収録のスタジオが変わったんですよ。ここのスタジオはい
わゆるデッド、つまり反響が少ないんです。自分の声が全然響かないので大きな
声でしゃべらないと番組がエキサイトしない。それのおかげででっかい声でがな
っているようになりまして、不機嫌に聞こえてしまうのかも知れませんが、全然
そんなことはありません。のんきでやっておりますのでご安心ください。」
・特集の内容
Bread以前に、60年代に作曲家として活動をしていた頃の作品群の特集。
♪ Lost In Wonderland
「Connie Stevensは私達の世代にとっては「Hawaiian Eye」というTV番組の主
演で有名。歌手としてもとっても上手な人で、スタンダードナンバーのアルバム
も沢山出してますが、こういうポップソングではすばらしい曲が沢山あります。
このDavid Gatesが提供した「Lost In Wonderland」はB面ですけど1965年にシ
ングルカットされました。A面の「Now That You've Gone」はConnie Stevensの
最後にチャートインした曲ですが、これがまた珠玉の名曲でして、Petula Clark
なんかもやっております。Connie Stevensは先日のCarole King特集でも1曲か
かっておりますね。」
「私が生まれて初めてDavid Gatesの名前を目にしたのはWalker Brothersのデ
ビューアルバムです。日本ではイギリスで出た二枚を一枚にして『The Sun
Ain't Gonna Shine Anymore』というタイトルで出ました。ここで朝妻一郎さん
がこの曲を書いたのはDavid Gatesだと(ライナーに)クレジットがありまして。
そこで初めて目にしました。」
♪ The Girl I Lost In The Rain
「作家としてのDavid Gatesの全作品の中で異色な一作。おそらく楽曲売り込み
でWalker Brothersのレコーディングになったものと考えられます。」
「次はBlossoms。BlossomsといえばDarlene Love。Phil Spectorのバックアッ
プボーカルであまりにも有名です。スタジオミュージシャンのコーラスグループ
として星の数ほどレコーディングしております。Blossoms自身としても沢山レコ
ーディングしております。ほとんどヒット曲はありませんが、いい作品がいくつ
もあります。」
♪ Lover Boy
「次も1966年。この曲は先日Lettermenのバージョンでお聞きをいただきました
が、もう一つ別のアーティストのを。Nino Tempo & April Stevens。兄妹でご
ざいまして。Nino Tempoはセッションマンでサックスプレイヤー。April
Stevensは歌手で本人も何曲もヒット曲があります。このNinoとAprilの最大のヒ
ットは1963年の「Deep Purple」というスタンダードナンバー。この二人が1966
年に出した名盤アルバム『All Strung Out』、Turtlesが居たWhite Whaleレー
ベルですが、ここの1曲目に入っております。」
♪ You'll Never Be Needing Me Baby
「前半はポップ系で行きましたが、ウエストコーストで作曲活動しておりました
ので、当時のいわゆるガレージバンド、サーフィン/ホットロッド関係、エレキ
インスト関係、そういう作品が何曲かあります。Venturesに曲を提供したことす
らあるDavid Gates。1965年にManchestersという名前の、これは幽霊グループ
ですね。こういうノベルティ物で一発当てようといろんなところが出す訳でござ
います。なぜかVee-Jayレーベルから一枚シングルを出しております。これはほ
んとにノベルティレコードです。」
♪ Dragonfly
「Dragonfly=とんぼですね。こちらはインストですがもう片面は「I Don't
Come From England」というイギリスを歌ったノベルティの歌物です。そちらの
方がどちらかというと有名ですが。」
「ギターインストは好きなのでもう1曲。Duane Eddyに提供した曲。Duane Eddy
ですから当然RCA。Mr. Twang, Duane Eddy。」
♪ Moon Shot
「Duane EddyといえばTwangy Guitar。トワンギーギターとはギターの低音のメ
ロディで聞かせるギターで♪♪♪♪、上手いんだか下手なんだかわかんないよう
な弾き方ですが、その代表選手がこのDuane Eddy。代表曲は「Peter Gun」。♪
♪♪♪、こんな奴です。」
「Glenn Yarbroughは元Limelightersで、どちらかというとフォーク系の人。ソ
ロになってあるアルバムを何枚かRCAから出しました。Barry Mann特集の時に「
It's Gonna Be Fine」という曲をお聞きいただきましたが、あのアレンジは
David Gatesです。この曲がタイトルになっているアルバムにDavid Gates作品が
1曲入ってます。」
♪ Never Let Her Go
「アルバムの1曲目の曲。同じ年にJody Millerもこの曲を取り上げてて、この
場合は「Never Let Him Go」でした。David Gatesも自分でお気に入りと見えて
、1975年に自分でセルフカバーしています。」
「次はDino, Desi & Billy。Dean Martinの息子Dino Martin, 「ルーシー・シ
ョー(The Lucy Show)」のLucille Ballの息子Desi、そしてハイスクールの友達
のBilly Hinsche。要するにビバリーヒルズのお坊ちゃん三人組のグループです。
Uniレーベルからのシングル。」
♪ Thru Spray Colored Glasses
「まるでRoger Nicholsのような曲です。もう69年になるとBreadのデビューとな
りますので、かなり煮詰まってまいります。Dino, Desi & Billyは66年に「Tie
Me Down」というやはりDavid Gatesの1曲がありますが、こちらの方が好きなの
でかけました。」
「という訳で2週間David Gates特集いたしました。大体こんなもんで目ぼしい
所は全てかけたんじゃないかと思います。この後1969年にBreadでデビューいた
しまして、70年代の頭に一世を風靡いたします。いろんな曲想がありますね。ほ
んとに書き分けが沢山あります。マイナーな曲からロックンロールまでですね。
ほんとに作曲家として能力があります。でもBreadに入ると今度はボーカリスト
としてのポテンシャルが上がってきます。私も大好きなDavid Gatesの作曲家時
代の特集。二週間いかがでしたでしょうか。夏ごろになりましたらBruce
Johnstonをやりたいと思います。Bruce Johnstonがまたいいんです、ガレージっ
ぽくて。Bruce Johnstonの作曲家/プロデューサ時代の作品をいろいろやってみ
たいと思っております。ツアーが終わるまではだめです(笑)。」
「David Gatesは1967年にPleasure Faireというグループをプロデュース&アレ
ンジすることになりますが、そこで知り合ったRobb RoyerとJames Griffinの二
人と意気投合して1969年にBreadとしてデビューいたします。今日の最後はもち
ろんBreadの1969年の記念すべきデビューシングル。」
♪ Dismal Day
・RCA/Airリマスター盤発売記念プレゼント
(1)2002/2からのカレンダー20名(ツアースケジュール入り)
(2)「Loveland, Island」ポスター20名
(3)スペシャルダイジェストプロモ盤CD10名
(1)〜(3)はすべてサイン入り。
・E-Male, FAXを受け付けて欲しいという要望に対して
「何度も言っておりますが、この番組は私とスタッフの2,3人だけの完全家内
制手工業の番組ですので、とても人的時間的余裕がございません。はがきと手紙
だけにしぼってチェックしないと全くチェックできない状態ですので、なにとぞ
ご了承ください。Tokyo-FMに番組のHPがないじゃないかといわれますが、家内制
手工業ですのでそんなとにかく余裕がありませんので、番組作るだけで精一杯っ
ていう感じでございます。」
・アナログボックスのQA
Q: アナログボックスが欲しくなって行き付けのCD屋に頼んだけど、メーカー側
にないといわれてだめでした。
「先週か先々週も申しましたけど、BMGに直接お問い合わせいただけたら近所で売
っているCD屋を紹介していただけます。またコンサートにいらっしゃる方はコン
サート会場で売っております。そちらの方のストックは別に用意してありますの
で。そちらの方がいいかもしれませんね、コンサートへいらっしゃる方は。」
Q: なぜ今回の再発にCDとアナログボックスの両方あるのはなぜ?音質の良いデ
ジタルリマスターCDだけで充分と思うのですが。
「私もはじめはそのつもりだったのです。あまりにも多かったのです、アナログ
出せアナログ出せというご要望が。ですから皆様のご希望で出したという訳です
。泣く子とリスナーには勝てない、そういう感じであります。」
Q: アナログボックスには『Come Along』のアナログ盤は特典としていただけな
いのでしょうか?
「ご存知のようにオリジナルはLPで発売したものをCD化したので、CDの方が収録
時間が長いのでボーナストラックを入れることができます。アナログボックスは
元のLPの形で出しますので、物理的にそれ以上のボーナストラックをお皿に刻む
ことができませんので、ボーナストラックは別にボーナスディスクという形で提
供するしかないので、『Come Along』は弾かれてしまう。そういう♪ちゃんちゃ
んという訳でございます。なにとぞお含みおきいただきまして。なんだか政治家
の答弁みたいになってまいりました。」
今後の予定
・3/17,24は二週間「棚からひとつかみ」。
・夏になったらBruce Johnstonの特集を。
・ツアー期間中は「ヒストリー・オブ・山下達郎」を予定。
circustown.net による放送書き起こしです。文責 circustown.net。抜け誤りはお知らせください。
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