達郎書き起こしプロジェクト by ロック軍曹とサーカスタウン2002/6/2 Sunday Song Book「棚からひとつかみ」
椎名純平/いつか晴れた日に 2002『discover』*1
King Harvest/Dancing In The Moonlight 1972 Single *2
The Echoes/Baby Blue 1961*3
Laura Nyro/Up On The Roof 1972/2002 *4
The Band/The Weight 1978/2002『Last Waltz』*5
James Burton/Love Lost 196?
小林建樹/Ride On Time 2002『リバース〜Private Covers〜』
*1 5/27リリース。全曲カヴァー・アルバム。
*2 NYのグループ。全米13位。
*3 NYの3人組White Doo Wopグループ全米12位。
*4 『Gonna Take A Miracle[Expanded]』リマスター盤のボーナス・トラック。
*5『The Last Waltz [Rhino Box Set]』日本盤タイトルは「完全版」だが
まだ未発表はあるとのこと。 1976/11/25の解散ライブ。
Martin Scorsese監督で映画になった。
内容
・ツアー終了
「3月から3ヶ月間続けてまいりました「JACCS Card Presents
Yamashita Tatsuro Performance 2002 RCA/Air Years Special」、ちょっと
変わったライブになりましたが、全14箇所33本のツアーめでたく先週の日曜日
の沖縄公演で終了いたしました。私、生まれて初めて沖縄に伺いましたが実に
すばらしいお客さんでございまして、充実した千秋楽を迎えることが出来ました。
どうもありがとうございます。全国33箇所おいでいただきましたお客様、
まことにありがとうございます。また早いうちに全国ツアーをやりたいと思って
おります。この次はぜひニュー・アルバムのツアーでお目にかかりたいと
思っております。新譜のツアーのほかにもいろいろと企画を今年から来年に
かけて考えておりますので、またお楽しみにお待ちいただきたいと思います。
ツアーが終了しまして、またスタジオに戻る生活になりますが6月はスタジオの
改修工事をやっておりまして、コンソールを全面的に入れ替えますので、
しばらくスタジオを使うことが出来ません。その間にニュー・アルバムのための
曲書き、デモなどをやりつつちょっとひと休みしつつ6月は過ごしたいと思います。
・いつか晴れた日に
今年に入りましてからいろいろな方が私の曲のカヴァーをやってくださっております。
不思議な時代というか、ちょうど若いころに私の曲をお聞きになった方が
自分がミュージシャンになったり、A&Rになったりしてそういうカヴァーをやろうと
いう奇特な方がたくさんいらっしゃるんだろうと思います。
・Dancing In The Moonlight
私のライブのどこかでこの曲の一節が出た(「Let's Dance Baby」)、あそこか!
そういう感じでございまして、洋楽が好きですから自分の曲のいろいろなところ
にそうした洋楽の一節をはさむのが昔から大好きなのです。
・Baby Blue
開演前のBGM(客入れBGM)は20数年前からDoo-Wopをかけることにして
おります。自分のコンセントレーションが落ち着くというか、自分が好きだという
こともありますが最近はだんだん手が込んできまして、自分でマスタリングして
CD-Rに焼きこんでお聴きいただいておりますのでいい音でお聴きいただけるという。
・Up On The Roof
手元に資料がないので今日は音だけ。ボーナス・トラックはすべてライブ版で
ございましてMarvin Gayeの「Ain't Nothing Like The Real Thing」、Aretha Franklin
の「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」、Five Stairstepsの「O-o-h
Child」。
そして、この「Up On The Roof」。
Laura Nyroは日本では立派なシンガー・ソングライターとして認知されています
がアメリカではそうではありません。なぜならLaura Nyro自身が自分の作品を
歌ってヒットを出したことがないからでありまして、1970年のこの Carole King の
「Up On The Roof」、 これがただ1枚の彼女にとってのヒット・ソングでしかも
全米97位ですから、ヒットしていないのも同然でして、彼女の代表作はすべて
人に歌われたことによってヒットしたので、Laura Nyro はアメリカでは作曲家
という認知でございます。
・Q&A
Q: 達郎さんのギターの弦はなぜあんなに切れるのでしょうか?
ツアー後半では何か対策を実施したのでしょうか?
「愛用している茶色のテレキャスターをリペアに出すと本番に間に合わないので
フレットの打ち直しとかブリッジの調整とかしないで使っていたのですが途中で
原因が分かりまして、同じメーカーの弦を使っているのですが新しく買った弦を
使っていたんですね。新しい弦だと全部ぶちぶち切れるんですね。去年買った
古いロットの弦だとぜんぜん切れないので、後半は古いロットの弦を張りましたら
それからぴたっと止みまして、やっぱり弦ひとつ取っても最近は質が低下している
のかなという、じゃあメーカー替えようかなとか考えたんですが結局前のロットで事
なきを得ました。今はファクターが多くて弦ひとつでもどこが原因か突き止めるのに
時間がかかってしまうという。技術の発達と裏腹に無駄なことが多くある、そういう
感じでございます。」
Q: なぜ、ギターもマイクもワイヤレスではないのですか?
「今回のライブをご覧になった方はお分かりかと思いますが、私を含め演奏
全員ワイヤードでございまして、ワイヤレスは1本も使っておりません。
理由は音質上の問題です。まだワイヤレスよりワイヤードのほうが圧倒的
に音質はいいです。特に重低音はもうどうしようもありませんのでですね、
ギターの佐橋君もベースの伊藤広規も死んでもワイヤレスは使わないと。
東京ドームとかでっかいところですと佐橋君なんかもワイヤレスを使いますが
2千の多目的ホールでワイヤレスを使う必然性は何もないということで
ございます。よしなに。」
Q: 演奏中、非常灯を消されるのは照明への影響を配慮してですか?
「そのとおりです。全国の会場の照明を消させていただくようにお願いしており
ますが、たま〜に、いやな支配人がだめだと意地悪をしますが、粘り強く
続けていくようにしたいと思います。」
Q: 難波弘之さんのキーボードの横においてあった、怪獣みたいな置物は何ですか?
「キングギドラです。」
Q: 達郎さんから観てほうからお客さんの顔はどのくらい見えるのですか?
「意外と見えないんですよね。ピンスポットがあたりますからね。」
Q: 沖縄公演の大道具の運搬は飛行機ですか船ですか?
「んなこときいてどうすんだ!みんな運送屋でもやろうっていうんですかね。
名古屋からフェリーで運びました。36時間かかるそうです。鹿児島からでも
24時間かかるそうです。沖縄は遠いです。」
Q: 「永遠のFull Moon」のライブ版の解説に一切の加筆修正なしとありますが
では修正加筆のあるライブ盤なんて存在するのですか?
「世に流布しているライブ盤の80%は手を加えてあると思って間違いないです。
ちなみに今お聴きいただきました『Last Waltz』もかなり後で修正してあります。
修正なしのライブ版を探すほうがむしろ珍しい。それが現実でございます。
ま、レコードというのはそれだけシビアだということでございまして。」
Q: 達郎さんのライブでトランペットやトロンボーンなどを加えた編成は
無理なのですか?
「結論から申し上げると将来的にもブラス隊、ストリングスを入れるつもりは
まったくございません。なぜかと申しますと今10人編成でやっておりますが
これ以上、たとえばパーカッション、ストリングスとか増やしましても曲によっては
"遊び"が出てくるわけです。演奏しないメンバー、余剰人員そういう人員が出て
きますとライブの緊張感が下がります。ライブをやる時はカツカツのメンバーで
やって、リミットぎりぎりで演奏するというのが一番美しいという私のポリシー
でございます。最近ブラスとかストリングスは自分の音楽にはますます
必要ないのではないかと思っております。レコードの世界でもどんどん
コンボ志向になっているという・・・。」
今後の予定
・6/9も引き続きライブ関係の葉書を紹介しつつ「棚からひとつかみ」。
・6/16は超待望の「棚つか Philadelphia Soul編」
・恒例の「ジューンブライド特集」は微妙。
・夏になったらBruce Johnstonの特集を。
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