達郎書き起こしプロジェクト by ロック軍曹とサーカスタウン

2002/6/9 Sunday Song Book「棚からひとつかみ」



Smooth Ace/Ride On Time 2002『Smooth Le Gout Avec Piano』*1
James & Bobby Purify/I'm Your Puppet 1966 *2
The Pentagons/Until Then 1962 *3
Earth, Wind & Fire/Shining Star (LIVE) 2002『That's The Way Of The Wolrd :
Alive In '75』*4
The Searchers/Don't You Know (LIVE) 2002『At The Starclub』*5
Jackie Wilson/You Got Me Walking 1972『You Got Me Walking』*6
山下達郎 & Melissa Manchester/愛の灯-Stand In The Light- 1996 Single,
1998『Cozy』

*1 男女混声ボーカルグループ。カバー集のアルバムより。他には荒井由実「卒業写
真」、大貫妙子「新しいシャツ」、竹内まりや「駅」など。5/22発売。
*2『Shake A Tail Feather!: The Best Of James & Bobby Purify』(Sundazed)
より。
*3 Californiaの5人組黒人ボーカルグループ。「To Be Loved」のヒットで知られ
る。山下達郎氏の今年のツアーの客入れに使われた1曲、。
*4 Maulice White自薦のライブ盤。『That's The Way Of The World』が出た頃の
1975年5月ツアーからピックアップしたもの。
1975/5/24 Baltimoreでのライブより。
*5 1963/3/1 HamburgのStarclubでのライブ。独Bear Familyレーベルより。
おそらくCricketsのカバー。
*6 Chicago Soulの大歌手。Eugene Recordの作品。この曲のオケがそのまま
Chi-Litesに使われている。Brunswickレーベル。

一節
Paper Dollのイントロ
Let's Kiss The Sunのイントロ
ビブラスラップを叩く音

内容

・近況

「お陰様でLiveがようやく終わりまして。3ヶ月間やっておりました。その前にリ
ハーサルが半月あって、3ヶ月半、4ヶ月近くLiveをやっておりますと、レコード
屋に注文して海外から届いたレコードやCDがダンボールに入って開けられないま
ま仕事場の上にどんどん山積みになってまいります。それからツアーに出ている
と物理的に片づけができませんで。そうするとそういうものが3ヶ月たまると凄い
騒ぎになります。これから向こう何週間で片付けなきゃならない。まるで大晦日
の大掃除みたいなことになりますが、それも仕方がありません。それに合わせて
、この3ヶ月間お便りはチェックできるんですが選り分けられない状態です。やっ
とレギュラープログラムのシフトに戻って参りましたので、そうしますとこのSSB
の重要なファクターであります洋楽オールディーズのヘビーリスナーの方々が「
そろそろ俺らの出番かな」という感じでお便りを下さるようになってまいります
。えぐいところをですね。そういうのにもお答えしなくてはならないのですが、
まだ体制が整いませんのでもう少々お待ちいただきたいと思います。」

・I'm Your Puppet

「60年代中期のSouthern Soul。黒人のいとこ同士のデュエットですね。彼らの
代表作。デビューヒットで66年のベスト10ヒット。James & Bobby Purifyは随分
ベストが出ていますが、一番有名なこの曲だけがなぜかオミットされたり音が悪
かったりしていました。ようやくSundazedがこの曲を1曲目に据えたベストを出し
まして、さあいよいよリアルステレオが聞ける!と思ったら、Sundazedをもって
してもモノラルしかない、結局モノラルバージョンしかないのですね。それにし
てもAlabamaのMuscle Shoals、Roger Hawkinsのすばらしいドラミング。最後の
のタタタの三連譜がなんともいえません。ようやくいい音でCD化されました。」

・Until Then

「何年か前にこのレコードを手に入れた時に一度おかけしました。遅れてきたDoo
Wop。1962年なのでDriftersの完全なクローンです。ルンバ・ビートにストリン
グスが入っております。Driftersの完全な真似です。でも曲はすばらしい。今回
Liveの開演前にかけた1曲です。この次はどんな曲を選ぼうか。結構仕込みに時
間がかかるんです。こんなもんまで自分一人でやっているから、だから体がいく
つあっても足りない。愚痴っても仕方がないですが。」

・Q&A

Q: 「Paper Doll」のイントロで一言言っていますが、なんという言葉ですか?

「「Son of a gun」。「サノバガン」。Carly Simonの「You're So Vain」の
イントロと同じです。」

Q: 「Let's Kiss The Sun」のイントロでなんて言っているのですか?

「「Come Along」。」

Q: 「いつか(Someday)」のイントロの頭でなんて言っているのか?

「「Go Ahead」です。」

Q: 「Let's Kiss The Sun」の二番の前の間奏の最後で、達郎さんが叩いている
ビヨヨヨーンという感じの楽器は何ですか?

「やってますね。レコードにも入ってますしライブでも叩いてます。ビブラスラ
ップという楽器です。鉄の棒をぐるっと曲げて、片方には木のボールがついてま
す。もう片方には、なんていいますかね、木の箱みたいなのがついてます。その
中に金具が入ってます。金だけだとチロチロチロですが、それを上下に振るとシ
ャラシャラシャラといいます。こんな音ですね。これの金の部分を持って木の反
対側の玉の奴を叩くとビヨヨヨヨーンと。よくお聞きになったことがあるでしょ
?23年前の「Let's Kiss The Sun」から去年のシングルの「君の声に恋している
」までいつもこれ(ビヨヨヨーン)ばっかり使っています。私の愛用する、大好き
なビブラスラップです。(ビヨヨヨーン)しつこい?すみません。」

Q: この番組はペンネームは駄目なのでしょうか。

「基本的にはペンネームを歓迎してませんけど、昔から(葉書を)書いてくださる
超常連の方で、内容もちゃんと書いてくださる方はあれですけど。いわゆる最近
の流行でラジオネームばっかりというラジオ番組の作り方に物凄く疑問がありま
すので、私の番組は10年間ほとんど実名でお寄せいただいております。何の問題
も起きておりませんので、ひとつよしなにお願いいたします。」

Q: 達郎さんは放送当日に自分のラジオは聴いているのですか。

「聴けるときは聴いております、なるべく。何をしゃべっているかよりも音楽音
です。現在FMはJFN系でデジタル化を進めております。送出系統がどんどん変わり
ますのでマメにチェックしていないと、すぐ時代に乗り遅れてしまいます。僕も
岩崎君も苦労しているのです。日々戦い続けているのです。お前はスーパーマン
か(笑)。」

Q: ステージで着ていたチェンジポケット付きの3ボタンのスーツは格好よかった
です。オーダーと言っていましたが、素材はなんですか?シルクですか?それと
中に着ていたボタンダウンのイエローのシャツと履いていたブーツはどこのメー
カーのものですか?選んだのは誰ですか?スタイリストさんですか?洋服に何か
こだわりがあればそれもお願いします。

「私は20年近くツアーをやっている時はステージ衣装はほとんどスーツです。ネ
クタイをしている時もありますし、タートルネックの時もあります。フリルのつ
いたシャツなどは全然趣味じゃないので。いわゆるトラッドで育った人間なので
スタイリングも全部トラッドです。スタイリストの中には着せてやろうという方
もいますが、僕にはそういうのは全然似合わないので。だいたいワンパターンで
、形も似てますし。ここ10年は全部ブルーで、前のCozyのツアーとほとんど変わ
らないので、衣装持ち回りか、とかいろいろ言われましたが違います(笑)。今回
はシルクとポリエステルの混紡で、季節がちょっと暖かいところへ向かっていく
ので夏物の仕立てで作りました。中のシャツはINEDという日本のメーカー。ブー
ツはTricker'sというイギリスの凄くオーソドックスなトラッドのブーツです。僕
はローファーとか全然だめなのでそういう意味で凄く物を選んで、あと形を選ぶ
んです。なかなか難しいんですけど。最近はスタイリストやテーラーの方がよく
わかってらっしゃるので、自分では満足するものができております。でもスーツ
を着てハンドマイクで前に出て行くと、お若い方はそういうものをご存知ないの
で、やれディナーショーだとか、演歌の歌手みたいだとか揶揄する方がいらっし
ゃいますが。むしろ60年代から70年代にかけての、モッズからいわゆるソウルシ
ョーとかR&Bのそうしたマナーなんですけど。なかなか時間が流れるとそういうこ
とをいってもお解かりにならない方が増えて、すごく大変なんですけど。ま、関
係ありません。」

Q: 達郎さんはギターを弾くときは、コードストロークだけの曲は指盤がローズウ
ッドのテレキャスターを使い、ギターソロを弾くときはメイプルのテレキャスタ
ーを使っていらっしゃったのですが、どうしてですか?レコーディングスタジオ
ではどうされているのですか?

「私はライブでもレコーディングでも茶色のお馴染みのフェンダーのテレキャス
ターを使っておりますけど、いわゆるカッティング用にチューニングされたもの
なので物凄く弦の高さが低いんですよ。従いましてあれでギターソロを弾きます
と、上の方だと音がでないんです。なのでギターソロを弾く曲の場合はそれ専用
に弦高を高くして、ソロ用にチューニングしたテレキャスターが別に一本ありま
す。それがメイプルネックのテレキャスターです。一般的に黒っぽい指盤がロー
ズウッドで、白っぽい指盤がメイプルです。ビデオクリップとかでギタリストが
弾いているのをご覧になればおわかりになると思います。一般的にローズウッド
はカッティング向き、メイプルネックは硬いのでギターソロ向きと言われます。
確かにそういう気はいたします。佐橋君もカッティングはローズウッドで、ソロ
の時はメイプルにするようなことを言っております。」

Q: ツアー中は都内のコンサートでも自宅に戻らずに泊まられるのでしょうか?

「そんなわけねーだろ!」

Q: マイクにあたるように歌われていましたが大丈夫ですか?

「ギターを弾きながら歌う人は、マイクにある程度口をくっつけてマイクの位置
を判断するので、マイクにあたるように歌わないと逆に歌えないんです。」

Q: コンサートでもらったお酒はすべて飲むのでしょうか?

「飲める訳ねーだろ!そんなもん。みんなでジャンケンして分けます。ありがと
うございます、下さった方。」

Q: ツアーパンフの楽譜の字は達郎さんですか?

「そうです。」

Q: 達郎さんはツアー中、落語のCDを聴いているそうで。何を聞かれているか教え
てください。

「そんなことを聞いてどうすんだ?僕は今、(古今亭)志ん朝のCDをコツコツ聞い
ています。今回のツアーは100%、(古今亭)志ん生師匠のCDで通しました。志ん生
師匠の落語を聴いていると安眠できます。」

今後の予定

・6/16は「棚つか 70年代Philadelphia Soul編」
・6/23,30は「リクエスト特集」。
・7月頭には「わがままリクエスト」。
・7月になったらいよいよBruce Johnstonの特集を。


circustown.net による放送書き起こしです。文責 circustown.net。抜け誤りはお知らせください。


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