Four Seasons のサウンドと歌の世界

The Four Season / Gold Valt of Hits

 Bob Crewe と Bob Gaudioの共作に関してですが、基本的に Bob Gaudio が曲の骨格になるロックンロールな部分を、Bob Creweがそれにメローな部分を補佐しながら曲作りを進めていったたのではないかと考えています。そして曲のアレンジを含め、全体をコントロールしていたのが、 Bob Crewe だったのではないでしょうか。
 初期の頃からアレンジメントを担当してきたのは、Charles " Charlie" Calello 。彼なしでは、あのメリハリのある素晴らしいサウンドはありえなかったでしょう。
Charles " Charlie" CalelloとBob Crewe との出会いは、Rays に、" Elevater's Operater " (Crewe-Callello)を提供しているところから推察すると、Four Seasons 以前から付き合いがあると考えられ、たぶん Bob Crewe が連れてきたスタッフだったのでしょう。
 達郎さんは Four Seasons の詩の世界の素晴らしさをよくラジオで話してくれます。
Four Seasons のメンバーは、イタリア系アメリカ人で、幼い時はそれ程裕福な暮らしではなくブロンクスといったニューヨークの下町で育ったのではないでしょうか。
 60年代の初期の作品は " Rag Doll " といったように身分や階級の違いを背景にした儚い恋やティーン・エイジャー向けのブロークン・ラブ・ソングが、当時の世相や時代背景を受けて多くの若い人の心に染み込んでいったことは充分想像できることです。
 達郎さんはラジオでこんなことを話してくれました。
 Four Seasons のメンバーの Bob Gaudio が車を信号待ちかなにかで止めていたとき、1人の女の子が寄ってきて車の窓を拭き始めた。その時、自分が10代の頃の貧しかったことが脳裏をよぎり " Rag Doll " の歌詞を思いついたと ……. 。
 60年代中頃、Beatles をはじめとするブリティッシュ・インベンションの動きや、Motown 関連の作品がチャートに上がるようになり始めると、 Four Seasons のサウンド・スタイルもこういったサウンドの影響をうけ、ビートの強い方向に変化していきます。これもやはり、ヒット曲指向の強い Bob Crewe の意向によるものではないでしょうか。その顕著な例の " Let's Hang On " 、 " Opus17 "、" Working My Way Back To You " といった曲。これらの曲を書いたのが、この頃から参加するようになったSandy Linzer-Denny Randell というソングライター・チームの作品。このソングライターチームの登用にも Bob Crewe のセンスが光っています。
 個人的にはこの頃の作品が一番好き!聴いていて元気出てくる曲ばかり。これだから、このクリュー・サウンドはやめられません。
 60年代後半になると、リード・シンガー、Frankie Valli がソロ・レコードを出し、 Four Seasons 自身には徐々にヒット曲は少なくなっていきます。70年代以降、幾多のメンバー・チェンジを繰り返しながらも、主要なスタッフは殆ど変わることなく Bob Crewe の人脈で占められています。クレジットを見つめると堅い結束で結ばれた男の友情をみるようで涙でむせてしまいそう。
 Four Seasons の音源は約15年くらい前、 Private Stock から出た2枚組のベスト 「Four Seasons Story」くらいしかなかったので、これと達郎さんのラジオ番組、NHK「サウンド・ストリート」のFour Seasons 特集、Frankie Valli 特集はカセットに吹込んで何度も何度も聴いたものです。
 1988年に RHINO からボックス「25th Anniversary」が発売されてからは、現在、RHINO、ACE、CURB といった会社から続々とリイリューされ手軽に聴けるようになりました。ホントにいい時代になったもんだ。
俺達、みんな仲良し!




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