さとう宗幸
青葉城恋唄



 なんで恥ずかしいの?という声が聴こえそうですが、この企画が上った時に最初に思い浮かんだのがこれ。何故かといえば、買った理由が全く思い当たらないのですよ。歌手や曲が気に入ったという訳でもないし、実際にプレイヤーにかけたのは恐らく1回ぐらいだし、B面なんて聞いたことないんじゃないかな。なんで買っちゃったんだろうなあ。よってこの後に何を書いたらよいやら、悩んでいます(笑)。


この当時(1978年)はまだ中坊だったから、洋楽よりは言葉がわかる日本語の歌(笑)を主に聞いていたし、この頃に流行っていたニューミュージック、例えばアリス、ゴダイゴ、ツイスト、オフコース、原田真二などは結構聞いた記憶があるし、今でもカラオケで歌えます。でも、さとう宗幸にはそういう思い出も思い入れも何にもないんだよね(笑)。申し訳ありませんけど。


この曲はデビュー作にして「ザ・ベストテン」に登場するほどの大ヒットになったものの、その後は大きなヒットに恵まれなかった訳で、いわゆる一発屋の範疇の人。数年後に金八の二、三番煎じだった「仙八先生」で主演を務めましたが、どんな先生役をやったか全く記憶にない。生徒役のシブガキ隊と本田恭章は覚えているんだけど。


こんな程度の認識なのだから、購入理由も他愛なかった筈。まず、自分は子供の頃はご当地ソングが好きだった(笑)。「函館の女」「港町ブルース」「よこはま・たそがれ」「雨の御堂筋」「チャイナタウン」など。それから今思えば同じように全国各地の民謡が好きでしたよ。小学校の音楽の時間でもクラシックより民謡がかかった方が嬉しかった(笑)。「ソーラン節」「ちゃっきり節」「木曽節」「北海盆唄」「会津磐梯山」とか、「炭鉱節」も民謡だっけ。あと、昔は地理も得意で(笑)、児玉清の「クイズ・アタック25」の最後の問題「ある都市をお答えください。さあ、フィルムスタート!」とかは結構強かった。「ある人物」は苦手だった。「サザエさん」のオープニングの郷土観光ものも好きだったな。このレコードをつい買ってしまったのも、そうしたことの延長線上にあったのではないか、たぶん(謎)。仙台とくれば青葉城!嗚呼、そうやって行ったことのない街へのロマン(?)を勝手に抱いていたんだろうか、あの頃のボクは?


それから歌詞に出て来る「七夕の飾りは揺れて」神奈川県民にとっては七夕といえば平塚の平塚の七夕祭り。あれは確か仙台のと同じ飾りを吊していた筈でした。ガキの頃にはよく行ったものです。綿菓子と焼きとうもろこし食べました。屋台のヒヨコやウサギをいじくりたおしました。そういう楽しい(?)思い出がフラッシュバックしたのでしょうか?


そんなことを思いつつ、22年ぶりにターンテーブルに乗せて聞きました。広瀬川のせせらぎのような(?)さわやかな曲でした。山下達郎の如きベルツリーの音も随所に使われています。アレンジは石川鷹彦。作曲はさとう宗幸で詞は別。Aメロとサビだけのシンプルな構成。歌はコブシを全く用いずに澄んだ声だけで聞かせるスタイルで、純喫茶のマスターが余芸で歌っているかのよう(失礼)。実直そうな音楽だなと思いました。カラオケでは簡単に歌えそうです。
B面は「昔きいたシャンソン」。今回で初めて聞いた気がしますが、なかなかメローでいい曲でした。シャンソンというよりはグレープという感じですが。


という訳で久々に聞いてみたら、曲自体は全然恥ずかしくなかった、曲により喚起される記憶がなんとも恥ずかしかったという1曲(笑)。このところ仙台へ行く機会があってもこの曲や青葉城全く脳裏をかすめませんでした。それよりもあそこは牡蛎、牛タン、萩の月、太白区、パラダイスレコードの街です(笑)。『Knock Me Out!』と『Ventures' Christmas Record』はパラダイスさんで購入しました。ちなみに歌詞には青葉通りは出て来ますが青葉城は出て来ません。あ、青葉城って昔の力士の事かな(笑)。かつては黒姫山とか鷲羽山とかご当地名力士が結構居ましたね、等とどうでもいいことまで思い出してしまう。これも立派な恥レコでしょうか。


(パープル蛭子)




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