■音楽プロデューサーへ 〜Heritage レーベルの創設 1936年、フィラデルフィアで生まれた Jerry Ross は、1956年に人気音楽番組 Dick Clark's American Bandstand のアナウンサーに就任し、音楽のキャリアをスタートさせます。 その後、彼はアナウンサー業にとどまらず、その番組に出演していたシンガー Tommy DeNoble や Doo-Wop グループ、The Larks, The Co'eds といったグループのプロデュースに関わり、そのノウハウを身につけていきました。
その頃、手掛けたシンガーやグループをいくつか紹介。 Tommy DeNoble は Jack Jones に似たクルーナー系のボーカリストで、特に1960年に Sheryl レーベルからリリースした " Young Love " は Jerry Ross の良きパートナーとなる Murray Wecht との共作曲。また同年 Sheryl レーベルから出た " Time Afer Time " (Sammy Cahn-Jules Styne による有名なスタンダード・ナンバー)を歌った The Co'eds は、紅一点の Doo-Wop グループで Rosie & The Originals スタイルのとっても可愛らしいナンバー。 Dick Clark's American Bandstand を通じて彼は多くのレコード会社の関係者と出会い、徐々に自分で曲を書いて、それを自身の手でプロデュースする独立プロダクション設立の野心を持ち始めます。そこで彼はパートナーの Murray Wecht と共同で Heritage レーベルを創設。そこで本格的にプロデューサー業を出発させます。Cameo Parkway レコードの Chubby Checker のバック・ボーカルをしていた The Dreamlovers の " When We Get Married " を1961年にプロデュースし、その曲はトップ10に入るヒットとなりました。 ・The Dreamlovers The Dreamlovers は1956年にフィラデルフィアで結成された Doo-Wop グループで、Chubby Checker の " Twist " などでバック・ボーカルを担当していました。1961年にスマッシュ・ヒットとなった Doo-Wop バラード・ナンバー " When We Get Married " はリード・シンガーの Don Hogan が作詞作曲した作品。ちなみにこの曲は1970年に、Gamble-Huff がプロデュースしたグループ、The Intruders によってカバーされました。翌62年に出した " If I Should Lose You " は、Don Hogan と Jerry Ross-Murray Wecht の共作で、星の数程ある Doo-Wop バラードの中でも最も僕が好きな曲でもあります。 時代は進み Doo-Wop 全盛時代も過ぎ去り、Jerry Ross が活動の拠点を Mercury に移し、そして The Dreamlovers も Mercury へ移籍しました。そこでも恩師、Jerry Ross のプロデュースで数作品を残します。1966年にリリースした " You Gave Me Somebody to Love " は Ross と Anders-Poncia との共作で Jimmy Wisner がアレンジ。「ポップ」と「ソウル」がうまく溶け混ざった、いかにも Jerry Ross らしい作品に仕上がっています。Ross は大変この作品を気に入っていたみたいで、Jay & The Techniques や Purple Reign といったグループにこの曲をカバーさせています。当時のリード・ボーカリスト、Morris Gardner を Doug Banks に変えてリリースした " Bless Your Soul " というダンス・ナンバーもリリースしました。
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