Graham Central Station

I Can't Stand The Rain

1975 "Ain't No 'Bout-A-Doubt It" Warner WPCR-747





 ファンク・ファンの皆様お待たせいたしました。Circus Town 初のファンクはサンフランシスコ・ベイ・アリア出身、Larry Graham 率いる Graham Central Station であります。
 70年代に入りソウル・ミュージックの世界もかなり細分化されてくるのですが、いわゆる"ファンキー"と違って"ファンク"は比較的新しい表現形態としてディスコ・シーンを中心に次第に市民権を確立していきます。16ビートを多用したアタックの強いリズムによる、ワン・コードに近いシンプルな展開。血沸き肉踊るビート。気がつかないうちに体が縦揺れしてしまうこのグルーヴ感。気が付くとあなたの頭もカリフラワーに!
 70年代ファンクの走りとも言えるのは、今でも一部に熱狂的な人気を誇る Sly And The Family Stone です。彼らは広まりゆく公民権運動などを通してファンクというスタイルに黒人のアイデンティティを端的に込めていきました。70年代初頭は西海岸の"ファンク"と東海岸を中心とした"ニュー・ソウル"が黒人運動と微妙に呼応していたような気がします。そして、やがてその流れは70年代中期には"ディスコ"へと収斂していきます。


 ファンク・バンドとしては、先の Sly And The Family Stone を筆頭に、Tower Of Power、Mandrill、Ohio Players、War、EW&F、などがヒットを飛ばし、一大センセーションを巻き起こします。
 このブームの立て役者たる Sly And The Family Stone でチョッパー・ベーシストとして一世を風靡したのが Larry Graham その人でした。Sly での大ヒットで名声を得た Larry は72年にグループを脱退。自らが中心となって 73年に Graham Central Station を結成します。このアルバムは彼らの75年の3枚目のアルバム。Larry Graham は80年代に入り、メロウ路線に転向しますから、この時期のサウンドはまさに貴重。
 とにかくこの重厚なチョッパー奏法に身を委ねていると体の火照りをどうにも押さえられなくなってきます。さあ、あなたもレッツ!グルーヴ!

(脇元和征)




Copyright (c) circustown.net