『 On The Street Corner 3 』発売記念


The Four Freshmen

Their Hearts Were Full of Spring (Bobby Troup)

1958,1961/1999 "Voices In Latin / The Freshman Year"
COLLECTOR'S CHOICE MUSIC 095/CD





 人の一生を季節の移り変わりの中に丁寧に織り込んだ心暖まる曲、「心には春がいっぱい」。
作曲は、The Four Freshmen の代表曲として有名な 「 Route 66」を作った Bobby Troup。この人は50年代にジャズ・ボーカリスト、ピアニストとして大活躍した人で、奥様は美人歌手、 Julie London でした。
 The Four Freshmen は50年代から60年代を中心に活躍したボーカル・グループで、メンバーは Bob Flanigan、Ross Barbour、Don Barbour (2人は兄弟)、そしてこの頃新しく加わった Ken Albers の4人組。そのボーカルスタイルは4人全員が演奏しながら歌うというのが基本的スタイルでした。これまでオーケストラやコンボをバックに吹き込んだアルバムが続いたのですが、この曲、「Their Hearts Were Full of Spring」が含まれているアルバム 『The Freshman Year』(1961)は久し振りにこの基本的なスタイルに立ち戻り、彼らのみの演奏で録音された15枚目のアルバムです。タイトル曲「The Freshman Year」は、メンバーの Ken Albers と Bill Comstock との共作曲。この頃の The Four Freshmen のコーラス・アレンジはこの Ken Albers を中心に行っていた様です。


 今回 2 in 1 カップリングとなった『Voices In Latin』(1958)は、ビックバンドをバックに録音されたアルバムで、以降このシリーズは『Voices In Love』(1958)、『Voices In Fun』(1961)と続いていきます。オーケストラ・アレンジは Capitol のプロデューサであり、Stan Kenton (この人が The Four Freshmen を見い出したと言われています)を初め、多くの Capitol Records のアーティストを手掛けきた Pete Rugolo。リズム・セクションには、Jimmy Roales (pf.)、Keith Mitchell (b.)、Laurindo Almeida (g.)、Shelly Manne (dr.) といった一流ミュージシャンが参加しており、軽快なラテンのリズムを披露しています。
 両アルバム共、Rodgers-Hart、Gershwin、Harburg-Arlen、Burke-Van Heusen といった Tin Pan Alley の作家のスタンダード名曲がたくさん詰まっていて、その永遠のメロディは4人の素敵なコーラスと解け合ってそれはとっても夢心地気分。
 特に「Their Hearts Were Full of Spring」は素敵な曲もさることながら詩も素晴らしいです。達郎さん、是非とも番組の中でこの詩についてもご紹介ください。
 それでは、このアルバムの最後の曲、「Dream」を聴きながら今日はゆっくりオヤスミください。

(富田英伸)




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