Eric Burdon & The Animals

Sky Pilot

1991 "The Best Of 1966-1968" Polydor POCP-2099/CD





 一声耳にしただけで、その声の持ち主や風貌が思い浮かぶシンガーがいます。声の質や節回しが独特で、善し悪しは別として聴いている者に好き嫌いの印象をはっきり感じさせるシンガーと言ったらいいでしょうか。たとえば、The Rolling Stones の Mick Jagger であったり、「Gloria」のヒットで有名な Them のリード・ヴォーカリストだった Van Morrison、そして The Animals のリード・ヴォーカリストだった Eric Burdon などが挙げられましょう。
 「The House Of Rising Sun」、「Don't Let Be Misunderstand」などの The Animals 時代から、音楽の面で変化を遂げた Eric Burdon & The Animals の1966-68年のヒット曲が網羅されているのがこのCDです。いままでのどちらかと言えば、シンプルで土臭い感じのするものから時代に沿った(と言っては語弊がありますが)音を模索した時期ではないかと思います。しかし、フロント・マンとしての Eric Burdon の歌唱は健在で随所にそれを聴くことができます。


 その中でも、「Sky Pilot」はとても印象に残っている1曲です。当時はシングル盤のA、B面でPart I、II に分かれていて曲調が変わっていたのも印象的でした。(ここでは通しになっています。)詞の内容は戦争が題材だけに(間奏は空中戦をイメージさせる)シビアですが、ジェット・マシーンを使って高揚感を醸し出しています。他に、フォーキー(?)な「San Franciscan Nights」や当時の Monterey Pop Festival を歌った(歌詞の中に Jimi Hendrix、The Who、Ravi Shankal などが出てきます。)「Monterey」なども Eric Burdon の歌唱とともに忘れられない曲です。
 その後、グループは解散し、Eric Burdon は黒人編成の Eric Burdon's War を結成し、「Spill The Wine」などをヒットさせましたが、同グループを脱退、その後 Lee Oskar で有名な The War で「The Cisco Kid」、「Can't We Still Be Friends」、「Low Rider」などのヒットを放ったのは有名です。このCDの解説(松村雄策氏)によると、今でもLAでまさに「生涯一歌手」として頑張っているということです。

(伊東潔)




Copyright (c) circustown.net