The Spiral Starecase

More Today Than Yesterday

1969 " More Today Than Yesterday " Columbia 9852/LP





 澄みきった秋空にさえ渡る、素晴らしいボーカル。昨日よりもいい今日にしたいから、この曲でキリッと元気に。
 初めてこの Spiral Starecase を聴いたのは、達郎さんの「サウンド・ストリート」の「60年代ボーカル・グループ特集」だったでしょうか。大好きな1曲となりました。 Spiral Starecase はこの「More Today Than Yesterday」1曲だけの " one-hit wonder " のバンドとして認知されていますが、このアルバムのほかに数枚のシングルを残しています。
 1960年代中期に Dick Lopes(Sax)、Bobby Raymond(B.)、Harvey Kaye(Key.)、Vinnie Parello(Dr.)、 Pat Upton(G.&Vo.) の5人組で California の Sacramento で結成。 Columbia Records で Gary Usher のプロデュースの下、シングル・デビュー。 Artie Butler がアレンジしたセカンド・シングルもヒットに至りませんでした。その後、Sonny Night (この人は Feetwoods もカバーした「Confidential」のヒットを持っています。) がプロデュースを担当して、リード・シンガーの Pat Upton が書いたこの「More Today Than Yesterday」が大ヒット。


『The Very Best of the Spiral Starecase』 Taragon 1007/CD
 このヒット曲が表題となったこのアルバムは Sonny Night のプロデュースの下、数曲のカバーと Pat Upton が書き下ろした作品が収録されています。アレンジは竹内まりやさんのデビュー・アルバムにも関わった Al Capps が担当。このアルバムの魅力は、リード・シンガーの Pat Upton の突き抜けるような気持ちのいいボーカル。そして確かなソング・ライティング。カバー曲には Pat Upton のボーカルの力量を見せつけるように、「For Once In My Life」(Miller-Murden)、「Since I Don't Have You」 (Skyliners)、「This Guy's in Love With You」(Burt Bacharach) 等。
 その後、2枚の素晴らしいシングルをリリースしましたがヒットには至らず、グループは解散し、Pat Upton は Rick Nelson のバック・ボーカルに就いたのとのこと。現在、これまでのシングルを含め、カバー曲を除くオリジナル作品を集めたCD『The Very Best of Spiral Starecase』が出ています。

(富田英伸)




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