The Mob

I Can't Stop This Love Song

1975 " The Mob " Private Stock 2005/LP





 The Mob は Jerry Ross によってラスベガスで見い出されたブルー・アイド・ソウル・スタイルのボーカル・インストゥルメンタル・グループ。 Jerry Ross プロデュースの下、Colossus レーベルからデビュー。「I Dig Everything About You」など優れたナンバーを残しました。またメンバーの James Holvay と Gary Biesbier はソングライティングにも長けており、 The Buckinghams に「Don't You Care」、「 Hey Baby (They're Playing Our Song)」、「Susan」といった曲を提供。
 その後、The Mob は西海岸に渡り、The Association、The 5th Demension のプロデューサーで知られる Bones Howe のプロデュースで、Private Stock レーベルから1枚のアルバムをリリース、それがこのアルバムになります。
 サイドAは " The Dance Side " と記載され、ダンサブルなナンバーやロックンロール・スタイルのナンバーを収録。サイドBは " The Groove Side " と明記、バラード、AOR、スィートソウル、そしてちょっとスワンプなナンバーも収録されており、バリエーションに富んでいます。


 プロデューサー Bones Howe は録音の際、ベースに Leland Sklar、ドラムスに Hal Blaine といった西海岸のスタジオ・ミュージシャンを投入。The Mob のようなソウル・スタイルのグループには、Hal Blaine のようなドラムとは合わないのでは?と思ったのですが、なんのなんの、Hal Blaine のドラムは実に The Mob が作り出すサウンドと実にマッチしていました。この人は16ビートも抜群にうまいんですね。
 このアルバムから僕の好きなナンバーを何曲か紹介。" The Dance Side " の1曲目に収録されているのは、リーダーの James Holvay と 先程ソロ・アルバムがCD化された David Batteaux が共作した「All The Dudes Are Dancing」。実に気持ちいいダンス・ナンバーで、Hal Blaine のドラムスが炸裂しています。2曲目は、Ned Doheny 作「Get It For Love」の秀逸カバー。勇ましいリズム・セクションに加え、スリリングなコーラス・ワーク。続く3曲目は、James Holvay - Gary Biesbier コンビによる「 S.Y.A」というインスト・ナンバー。このグループ、演奏もうまくて感心してしまいます。
 " The Groove Side " は、Micheal Randall が書いた「I Can't Stop This Love Song」。A面とはうって変わって切ないバラードナンバー。2曲目には、The Delfonics のカバー、Barry Mann 作、「When You Get Right Down to It」。リード・ボーカルの Al Herrea が、Barry Mann に勝るとも劣らない説得力ある歌唱を披露。
 The Mob の特長は殆どのメンバーがギター、ベース、ドラム、キーボードといったリズム・セクション演奏者が同時にホーン・セクションもやれるというところで、リード・ボーカルの Al Herrea はテナー・サックスもやります。
The Mob はブルー・アイド・ソウル・グループの中でも Soul Survivors と同じくらい大好きなグループ。これは500円で買える名盤です。見つけたら是非ゲットしてください。

(富田英伸)





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