Barbara Lewis

Make Me Your Baby

1962-1994 " The Best of Barbara Lewis " Rhino R2 71619 / CD





 素直なメロディーと洒落たアレンジが実にマッチ。60年代初期のオールディーズの暖かさを保ちつつ、それでいて都会的。1965年、ニューヨーク録音作品でポップチャートでは11位まで上がりました。
 作曲者である Helen Miller の存在は、サンデー・ソングブックで達郎さんに教えてもらったのですが、今ではアルドン系のソングライターの中では僕の一番好きなソングライター。これまで紹介してきたBeverly Bremers 「Don't Say You Don't Remember」などを書いている女性です。


 この人の書いた曲はいい曲ばかり。自然と Helen Miller のクレジットのあるレコードを探すようになりました。レコーディング・スタッフ陣も相当力が入っており、プロデューサー Ollie McLaughlin の管理の下、Bert Berns が音楽ディレクターを務め、アレンジは Artie Butler が担当。Al Gorgoni(Guitar)、Trade Martin(Guitar) といったニューヨークのスタジオ・ミュージシャン達が脇をしっかり締めてします。
 Barbara Lewis は1963年の「Hello Stranger」の全米No.1ヒットで広く知られる黒人女性シンガー。この「Hello Stranger」は彼女自身の作品で、これも僕の大好きな1曲。実に心地よくて勝手に「温泉ソング」と呼んでます(笑)。
 Barbara Lewis はミシガン生まれ。後に Deon Jackson らを育て上げるシカゴの名プロデューサー、Ollie McLaughlin に見い出されて、1962年に Atlantic Records からデビュー。当初の音楽の拠点であったシカゴ時代の作品の多くは彼女自身のペンによるもの。この頃、「Hello Stranger」をはじめ、バック・コーラスは、The Dells が担当していました。2年ほど後、Ollie McLaughlin は音楽の拠点をシカゴからニューヨークへ移動。この頃になると、彼女自身の作品は影をひそめ、職業ソングライターの作品を取り上げるようになります。1965年に放ったヒット曲、「Baby,I'm Yours」は、Van McCoy の出世作となりました。これ以外に、Goffin-King 作「Don't Foget About Me」、Billy Vega-Chip Talor 作「Make Me Belong To You」などなど...。このように優れた作品に出会えた背景には、プロデューサー、Ollie McLaughlin の力があったのではないかと推測できます。
 これまで紹介してきた楽曲は上記CDに収録されています。

(富田英伸)





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