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畠山 美由紀
雨は憶えているでしょう 2002 " Diving Into Your Mind " Chordiary/Faith BFCA-85008 / CD |
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一期一会というと大袈裟ですが、どこで「出会い」というものがあるかわかりません。音楽でもそうです。 一昨年、このレヴューで取り上げた Nina Gordon と同じように全く何も知らず出会ったヴォーカリストに今、ぞっこん惚れ込んでいます。今年は、大貫妙子の『Note』、小沢健二の『Eclectic』と、日本のポップスを愛聴してる中にこの１枚も加わりました。CDを通じて耳に届く声質と歌唱力。多くの方が既に感じているであろう、包み込まれるような声、そして歌の持っている表情を繊細に、自然に表現できる歌唱力。その両者を持つヴォーカリストの名は、畠山美由紀。音楽通の方なら、Port Of Notes、Double Famous などのヴォーカリストとしてご存知の方も多いかと思います。
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彼女のソロ・デヴュー作『Diving Into Your Mind』に収められている「雨は憶えているでしょう」はそんな彼女の個性が隅々にまで感じられて、好きな１曲です。降る雨に思いを重ねる歌の風景をピアノとチェレスタとベースというシンプルなサウンド・デザインで彩ります。そして彼女のジャズ・テイスト溢れるヴォーカルによって歌詞の一つ一つの言葉がまさに絵を彩る色のように歌われるのです。それは透明感ある水彩画のようでもありときに激しく、ときにやわらかく発色します。
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このCDリリース直後のインストア・ライブでまじかに触れた彼女のワイド・レンジなヴォーカルは、CDで感じる以上に魅力なものでした（姉御肌?のキャラも見られました）。ただ、ライブでも感じたのですが、このCDでもバラードからアップテンポのものまでなんでも歌いこなせる器用さが器用貧乏につながらなければいいなぁと思います。作曲、アレンジそしてサウンド・プロデューサーは Little Creatures のベースの鈴木正人。彼の好サポートも光っています。
（伊東潔） |
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