Marjorie
Noel
Dans Le Meme Wagon 1965 King HIT-1250/Single |
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軽快なスネアブラシのリズムに乗る「♪フー!フー!フー!」という印象的な女声コーラスとそれを駆け足で追いかけるストリングス。僕はこの曲が発表された頃に生まれたので、当然リアルタイムでの記憶などはないのですが、この曲のイントロは昔から強烈に覚えていました。多分約30年前に「ひらけ!ポンキッキ」がスタートした頃ですが、番組の中でこの曲のイントロが頻繁に流れていたのを耳にした記憶があります(「ポンキッキ」は「Please
Please Me」や「When I'm Sixty Four」など多くのBeatles Songや、Eagles「One Of These Nights」のイントロを使うなど、音楽的にかなり意欲的な番組でしたね。)。それから子供時代にTV放送していた「突撃!ヒューマン」という舞台中継型の変身ヒーロー番組(?)があったのですが、そのテーマソングの冒頭が「♪ヒュー!ヒュー!ヒュー!」でして、「ポンキッキ」で流れた「フー!フー!フー!」と本当によく似ていたんです。そういう風に曲は知らなくてもイントロのコーラスは子供の頃から充分刷り込まれていました。とにかく幼少時に聞いた「フー!フー!フー!」がずーっと忘れられなかったのですが、この曲の題名と歌手を知ったのが実は達郎さんの「Saturday
Song Book」でした。この事が60年代ポップスに無知だった自分がSSBにのめり込むきっかけになった気が致します(本当かな?)。
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僕のしょうもない思い出話はこれぐらいにして原曲の話を。Marjorie
Noelは1945年生まれでパリ出身。Marjorie Noelという芸名はクリスマスに生まれたことから(ノエルはクリスマスの祝い歌のこと)。1964年にレコードデビュー。1965年のEurovision
Song Contestに「Va Dire A L'amour(慕情の季節)」で出場したことで知られるようになりました。日本では「そよ風にのって」がデビュー作。この曲と続く「Je
Te Dis Mon Age(春のときめき)」の2曲がヒットして日本ではかなり有名な存在になり、Connie FrancisやFrance Gall等と同じく日本語のレコードが制作されるほどの人気を博したそうです。しかし本国では大きなヒットはなく、ほとんど無名に近い存在だったようです。
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今回まりやさんは「そよ風にのって」の漣健児作詞の日本語バージョンをカバーするそうですが、この日本語バージョンは1966年頃に弘田三枝子、伊藤アイコ、伊東ゆかりなど数多くの競作が作られ、当時日本で相当人気の高い曲だったことが伺われます。原題は「同じ車の中で」という意味で、オリジナルの歌詞は「同じ車両に乗り合わせた二人が、旅の終わりには愛し合うようになる」という内容らしいですが、漣氏が付けた詞は、田園風景の中を二人きりでドライブする楽しいひととき、といったところ。疾走感のあるスウィングビートと3番から始まる転調が若い二人の心の高鳴りを象徴しているかのようですね。これぞ永遠の青春歌謡です。 (醍醐英二郎) |