Connie Francis

Where The Boys Are

1961 Columbia LL-2104 / Single





 "オールディーズ"という言葉を聞いてまず思い出すのはこの曲、という人も多いのではないでしょうか。僕自身も『アメリカン・グラフィティ』を観て60'sポップスを本格的に意識するようになるまでは、この曲や Pat Boone に代表されるレトロでちょっとダサめの世界観に「タリいなあ〜」と思っていたのですが、歳を増やすごとに何とも言えない魅力を感じ始めました。最近は Doris Day なんかを聴きまくっていて更に耳の老朽化(?)が顕著なんですが…。
 1961年に Dolores Hart、Yvette Mimieux らと一緒に Connie Francis 本人も主演したMGM映画『ボーイ・ハント』(Where The Boys Are)の主題歌です。映画の方はフロリダのリゾート地を舞台にした青春物語で、その後 Annette などの出演で量産されることになる低予算ビーチ・ ムーヴィの雛形となりました。テーマ曲を依頼されたのはNeil Sedaka & Howard Greenfield のコンビ。前年に Jack Keller & Howard Greenfield で書いた「My Heart Has a Mind of Its Own」が全米No.1を獲得し、気をよくした Connie は次作を再び Howard に依頼、Neil と共同でたったの4日間で仕上げたそうです。


 この曲の録音に関しては1つのアイデアがありました。それは映画の世界公開にあたり各国の言葉で録音するというもので、もともとイタリア語を始め語学力が堪能な彼女だけに十分可能なアイデアでした。よってオリジナル英語ヴァージョンの他に、日本語やイタリア語、ドイツ語、スペイン語等で録音し、それぞれの国で発売。特に日本ではこの日本語盤が大ヒットし、彼女の人気が決定的なものになりました。伊東ゆかり、奥村チヨ、森山良子など沢山のカヴァーも生まれました。
 この曲の魅力は何と言っても流麗なストリングス。Ben E. King の「Stand By Me」、The Difters の「This Magic Moment」、Joanie Sommers の「Johnny Get Angry」などを手掛けた Stan Applebaum のアレンジが、曲の良さに永遠の輝きを与えています。

(高瀬康一)




Copyright (c) circustown.net