Dennis Lambert

Ashes to Ashes (Lambert-Potter)

1972-2003 " Bag And Things " Dreamsville Records YDCD-0098/CD





素敵な言葉を琥珀色のビンに閉じ込めている様。
どことなく物悲しい、懐かしい気持ち。

 この「Ashes to Ashes」、SSBで数回、5Th Demension のバージョンがオンエアされ、大好きになったナンバー。
いつしか、作者である Dennis Lambert によるオリジナルを聴きたいと思うようになりました。アルバムも再三探してみたんですが、結局出会えずじまい。諦めかけていたとき、2003年、我らが Dreamsville から待望のリイシューです。
 アルバム『Bag And Things』は、1972年に ABC/Dunhill からリリースされた、Dennis Lambert 唯一のソロ・アルバム。アルバム・ジャケットはアーシーな感じのするジャケットですが、音作りはシンプルでミドル・オブ・ロード寄り、全体的に聴きやすいものになっています。


 Steve Barri プロデュースの下、参加ミュージシャンは、Dennis Lambert(key.)、Brian Potter(per.)、Artie Butler(Key.)、Jim Gordon(dr.)、Hal Blaine(dr.) に ストリングス、ホーン・アレンジに、Jimmy Haskel といった Dennis Lambert にとって気心知れた西海岸のスタジオ・ミュージシャンの面々により、安定した音作りとなっています。
 1972年と言えば、Dennis Lambert が盟友 Brian Potter とプロデューサとして手がけてた Original Caste、Hamilton, Joe Frank & Reynolds、The Grass Roots で成功を収め、かなり2人の名前が知れ渡ってきた頃、ちょうど脂が乗り切っていた時期にあたります。
 Steve Barri の勧めでこのアルバム制作が開始された模様。このソロ・アルバムは商業的には成功しませんでしたが、その後、プロデューサ・チーム Lambert-Potter はこれまで以上に多くのミュージシャンを手がけることになり、アメリカを代表する売れっ子ヒットメーカー、プロデューサ・チームになりました。
 プロデューサ・チーム、Lambert-Potter の凄いところは、ポップス・フィールドを中心に Glen Campbell から Tavares といったかなり幅広く、異分野のミュージシャンを手がけ、そのサウンドのいずれもそのミュージシャンの持ち味を引き出しつつ、ソリッドで溌剌とした現代的なサウンドに仕上げてしまうことです。特に1970年代にはプロデュース、サウンド・クリエータ以外にも、コンポーザとしても積極的に参画していました。
 僕が Lambert-Potterを意識したのは、Tavares の「It Only Takes A Minutes」を聴いてから。それまでブラック・ミュージックを好んで聴くことはなかったのですが、そのスピード感、切れ味あるサウンド、スマートなメロディーラインに圧倒されました。 他には1978年リリースの Cuba Gooding の『The First Cuba Gooding Album』もかなりのお気に入り。
 このように僕は Jerry Ross 、Ken Gold....、 といったような"白人が手がけたブラックミュージック" というものに何故か惹かれてしまうのですが、この Lambert-Potter チームもその代表です。

"Ashes to ashes, dust to dust,
Can you find the milky way?
Long Tall Sally and Tin Pan Alley
Have seen their dying day."

(Dennis Lambert-Brian Potter)

(富田英伸)





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