東川亜希子

わたぼうし

2004 " ナミナミ " CXCA-1155/CD





 ほとんど彼女自身のピアノと歌のみで綴られる優しい音楽。
シンプルで飾りのない弾き語りと清々しい歌声に心洗われます。
この世の中、たまに生きにくいこともあるけど、よし!きょうもはりきっていこう!、そんな気持ちにさせてくれる音楽です。


 このアルバムで一番好きな「わたぼうし」。
わたぼうし、何にも引き寄せられることもなく、気持ちのおもむくまま、空で飛んでいく。風、上昇気流。
秋風にゆれるわたぼうしが気流に乗って、雲と一体になる感じ。心がやすらぐ瞬間。ずっと忘れてたようなこういう気持ち、小さな幸せの一瞬を切り取ってみせてくれます。

 その他、イマジネーション豊かな未来を歌った「タイムマシーン」。ポロロン、ポロロン?とシンプルな旋律がカワイイ「Melody」。地方から出てきて東京で1人暮らしを始めた女の子への応援歌「東京暮らし」。下北沢界隈の女の子を想像してしまう、自分流ファッションの歌「マメ」。新しい家族"子犬"が我が家にやってきた時のことを歌った「やさしい気持ち」。街歩く女の子に一目惚れしたカメラ小僧の気持ちが素直に表れている「ビー玉」。全7曲が収録。秋空の散歩のお供に是非このCD、1日笑顔でいられます。

 今回のミニアルバムが本格的なデビューアルバムとなる東川亜希子さん。ピアノの鍵盤さばきにも確かなものがあり、10代の頃から曲作りをされているとのこと。これからもとても楽しみ。是非ともライブも観てみたいです。

 なかなかこういった素直でシンプルな音楽は、今の時代、僕らのところまで声が届きにくいのだけれども、できるだけアンテナを高くして、こんな素敵な音楽に出会いたいと思っています。
1. タイムマシーン
2. Melody
3. 東京暮らし
4. わたぼうし
5. マメ
6. やさしい気持ち
7. ビー玉

(富田英伸)





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