2012.09.08 | ||
What The World Needs Now Is Love
Jackie DeShannon The Very Best Of Jackie DeShannon (1965) |
||
7月にレコ屋話で盛り上がっていた頃。僕はかつて南青山にあった「パイド・パイパー・ハウス」のことを取り上げようと思っていました。
上京する前からパイドの通信販売を利用してレコードを買っていたのですが、上京後もアルバイトでお金を貯めてはパイドに通っていました。
貧乏学生だったのでそう多くは買えませんでしたが、何枚もの中から吟味に吟味を重ねて1枚を選ぶときの高揚感と言ったら。こつこつと買ったレコードは今でも大事な宝物です。
そんな中から取り上げようと思って久しぶりに引っ張り出してきたのが、このJackie DeShannonのベスト・アルバムでした。
何年かぶりに聴き返して懐かしさに浸ってから、どの曲を取り上げようかなと考えました。
「Needles And Pins」と「What The World Needs Now Is Love」の2曲で迷って「Needles And Pins」を取り上げようと思って書き始めたのですが、例によって遅筆で公開するタイミングを逃してしまいました。
・・・作詞家Hal Davidさんの訃報が舞い込んできました。Burt Bacharachとのコンビで幾多のヒット曲を世に送り出してきた、アメリカを代表する作詞家。
Hal Davidは愛の歌をたくさん書いてきました。都会に暮らす人たちが持つ孤独や切なさや哀しみ。うつろいゆく愛や人生。
英語を母国語としない我々日本人にとっては、彼の詞の世界を感覚的に理解するのは難しいのかもしれません。
稀代の作曲家Bacharachの影に隠れていたこともあって、彼の日本での評価が今ひとつであったということもあります。でもBachrachの作った曲は彼の詞なしには成立し得なかったこともまた真実であろうと思います。
I believe in love, alfie.
Without true love we just exist, alfie.
Until you find the love you've missed you're nothing, alfie.
「Alfie」(Burt Bacharach/Hal David)
Make believe that you don't see the tears just let me grieve in private
'Cause each time I see you,
I break down and cry
Walk on by
「Walk On By」(Burt Bacharach/Hal David)
Why do some fall down from the Sky?
Everytime You walk by just like me
They long to be Close to you
「Close Tou You」(Burt Bacharach/Hal David)
I can hardly wait to hold you
Feel my arms around you
How long I have waited
Waited just to love you
Now that I have found you
「The Look Of Love」(Burt Bacharach/Hal David)
そして彼の生前に僕が最後に聴いた曲は、奇しくも2ヶ月ほど前の「What The World Needs Now Is Love」でした。
Jackie DeShannonのハスキーで力強い歌が心の深いところに落ちてきます。
65年にこの曲が作られてからすでに50年近くの歳月が流れていますが、今もって普遍的な説得力を持っています。
Hal Davidの愛の歌の、究極の形はここにあったのではないかと思うのです。
"世界は今こそ愛を求めている
誰かの為のものではなく、すべての人たちのための"
What the world needs now,
Is love, sweet love,
No, not just for some but for everyone
「What The World Needs Now Is Love」(Burt Bacharach/Hal David)
Hal David - May 25, 1921 - September 1, 2012 rest in peace
今日の1曲