2012.09.10
When The Boys Get Together When The Boys Get Together
Joanie Sommers

When The Boys Get Together(Single) (1962)

Bacharachで繋げようとしましたが、相棒のHal Davidでいきます。

Hal Davidの歌詞は圧倒的にバカラック・ナンバーで有名ですが、例えばJoanie Sommersの代名詞的ヒット・ナンバー「Johnny Get Angry」もHal Davidによるものだということは、あまり知られていないのではないのでしょうか。しかもその次のシングル「When The Boys Get Together」も、曲担当のSherman Edwardsとのコンビで引き続き手掛けています(この曲は今年最初の放送の「サンソン」でもかかりましたね)。

「Johnny Get Angry」の続編的内容のこの「When The Boys Get Together」は、1962年10月に発売されました。ちょうど今から50年前のリリースです。94位とそんなにはヒットはしませんでしたが、ピアノがコロコロと転がるStan Applebaumのアレンジがキュートで、昔から大好きな曲でした。

「Johnny Get Angry」に出てくる女の子は、内気なジョニーに対して「もっと男らしく怒ったりしてよ!」と迫っていますが、この「When The Boys Get Together」にも再びジョニーが登場。今度はそのジョニーが男同士で集まって何を話しているのか気になっている乙女心が描かれています。「男っていっつも自慢話になるわね!」という冒頭の1行に、今も昔も男っていう生き物は変わらないんだなぁと笑えたりも。

Hal Davidはこの詞を書いた時点ですでに40歳を過ぎていたことになります。この10代の可愛らしい乙女心を40のおじさんが描いていたことに驚きますが、当時のアメリカン・ポップスの現場ではよくあることだったと思います。同時期にGerry GoffinやCynthia Weilといった若い世代の作詞家が登場してきて、彼等の若い感性と張り合うのは結構しんどかったのではないでしょうか。

そういう意味でも、大人の恋愛や普遍的なメッセージ・ソングを作ることに一緒に挑戦できたBacharachとの出会いは、Hal Davidにとっても幸福なことだったに違いありません。

ちなみにJoanie SommersとBacharach=Davidの3人は、1966年のTVミュージカル『On The Flip Side』で顔を合わせることとなります。そちらの作品も機会があれば紹介したいと思います。


今日の1曲

(高瀬康一)




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