2012.10.22
Sideshow Sideshow
Blue Magic

BLUE MAGIC (1974)

Atlantic R&B Best Collection 1000。
先日サンデー・ソングブックでも紹介され、この間たかはしかつみさんもこの中から早速一枚紹介してくれました。
最初僕は1,000円で1,000タイトル出るのだとばかり思っていて、「1,000タイトルも出るんじゃ全部買ったら100万円かあ、限定盤じゃとても全部は買えないな」(限定盤じゃなくても買えません。本当は100タイトル出ます。100枚でもムリ)と途方に暮れていたのですが(そんなことで途方に暮れるのもどうかしている)、欲しいアイテムがたくさんあってカタログを眺めているだけでも楽しくなります。日本初や世界初CD化も多数含まれており、しかも全タイトルにデジタル・リマリスタリングが施されています。これだけやってくれて1,000円は正直言って安いし、ワーナー・ミュージック・ジャパンの丁寧な仕事ぶりが伺える素晴らしい企画だと思います。
というわけでこのシリーズの中からBlue Magic。1974年のファースト・アルバムを。

Blue Magicはフィラデルフィア出身の5人組。StylisticsのRussell Thompkins Jr.を彷彿とさせるファルセット・スタイルのヴォーカル・グループです。
それもそのはずでこの時期AtlanticはStylisticsのようなスウィートなヴォーカル・グループをデビューさせようと目論んでいたようで、同じフィラデルフィアのグループでも70年代初頭のDelfonicsやO'jaysなどからは少し遅れてシーンに登場してきています。
このアルバムはフィラデルフィアのシグマ・サウンド・スタジオでMFSBをバックにレコーディングされています。プロデューサーはMFSBのNorman Harrisが担当。ですからストリングスやホーンの入り方などはPIRとほとんど同じテイストでフィリー・マナーのスウィートなソウルがたっぷりと堪能できます。

1曲目の「Sideshow」は流麗なメロディが印象的なバラードで彼らの代表曲の一つ。Ted Millsのファルセット・ボイスが痺れます。「Stop To Start」でのバリトンとファルセットの掛け合いもなかなかにドラマチックです。
68、9年からこのアルバムが出たあたり、75年ぐらいまでの数年間がスウィート・ソウルの全盛。70年代中期からはダンス・ミュージックが再び台頭してきます。
それだけにこの時期のソウルには時代の空気がギュッと凝縮されていて、一度聴き始めるどっぷりとその雰囲気に浸りたくなってしまいます。

秋の夜長はスウィート・ソウルで。


今日の1曲


(Kazumasa Wakimoto)




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