2012.11.04 | ||
俺達に明日はない
オリジナル・ザ・ディラン 悲しみの街 (1974) |
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ベルウッド・レコードが創立40周年ということで、40タイトルがリイシューされました(1500円、他に紙ジャケ11タイトルも)。
ザ・ディランIIは大塚まさじと永井ようのデュオで、関西フォークです。活動期間は1971年から1974年。『ロック色が強かったため、「東のはっぴいえんど、西のザ・ディランII」などと対比される』ともウィキペディアにあります。
彼らは当初、西岡恭蔵と3人で60年代末からライブ活動をしていました(ザ・ディラン)。オリジナル・ザ・ディランは、ディランIIがURCからベルウッドに移籍した記念になにかしようということになって、ディラン時代の西岡恭蔵の曲を、大阪の新進気鋭のロックブルース系ミュージシャンのバンド編成でレコーディングする一種の企画ものであったようです。1974年4月発表。
メンバーは大塚まさじ、永井よう、西岡恭蔵の3名に林敏明(Ds)、田中章弘(Bs)、石田長生(E.Gt)、佐藤博(Key)、長田和承(A.Gt)らによるバンドで録音されています。
このアルバムは The Band に70年代フォークのテイストをまぶした感じといえばいいのでしょうか、「俺達に明日はない」はアルバムの中でもロック色の強いもので、粘っこいリズムでバンドが一丸と進みます。佐藤博は、ピアノにハモンドに大活躍。コーラスはシンガーズ・スリー。
さて、佐藤博さんです。林=田中=佐藤のハックルバックトリオの録音はこのアルバムが最初ではないでしょうか?林=田中のコンビの録音はそれ以前にもあるのですが、妄想が広がります。その後、佐藤博は鈴木茂と加川良の「アウト・オブ・マインド」(1974年10月発表)で出会い、ハックルバックから、ナイアガラ・ムーン(1975年5月発表)につながっていきます。
下に貼付けた1曲は、「俺達に明日はない」のライブ録音。74年の春一番コンサートとあり、このアルバムの音がします。名演です。
今日の1曲