2012.11.25 | ||
Edith And The Kingpin
Elvis Costello A Tribute To Joni Mitchell (2007) |
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カナダ出身の女性シンガー・ソングライター Joni Mitchell のオリジナル・アルバムを集めたボックス「The Studio Albums 1968-1979」がリリースされました。1枚1枚新しいサウンドを吸収していく『進行形』の Joni Mitchell を、CD でまとめて楽しんでいます。先日紹介した DVD に続いて、また Joni Mitchell に登場してもらいます。といってもご本人ではなく、2007年にリリースされた彼女のトリビュートアルバム「A Tribute To Joni Mitchell」を取り上げます。
トリビュート・アルバム、カバー・アルバムは、音楽好きとしては、人選、そしてどの歌を歌うかに興味が湧くところです。
このアルバムでは、Sufjan Stevens の洒落たアレンジが楽しい「Free Man In Paris」(新録)から、Bjork、Caeteno Veloso をはさみラストは「元カレ」James Taylor の「River」(旧録)まで、いろいろと楽しめる内容になっています。音楽通の方から見れば、もっとドキドキしたミュージシャンの人選はあってもいいのではないかと言われたら、答えに困りますが。まくらが長くなりました。
中でも目をひくのは、Elvis Costello と Prince です。Prince の「A Case Of You」(旧録)は、ドラム以外は一人多重録音でピアノの弾き語り、ソウル・バラード仕立てがうれしいですね。ふっと、Alicia Keys が歌ったら、どんなだろうかと思ったりします。
Elvis Costello の「Edith And The Kingpin」(新録)は、バス・クラリネットとフリューゲル・ホーンをメインにしたホーンセクションをバックに、重厚に、ドラマチックに、聴く者をひきつけます。この人、ヴォーカリストとして、オリジナル、カバーを問わず、抑制をもって歌える技量、そして聴かせる力量はいつもながら、コステロ節といわれようが、引き込まれます。Elvis Costello、そして Paul Weller のご両人は、いつも目を離せない男性シンガーです。
Joni Mitchell の歌はややもすると、とっきにくい、あくの強さを感じる方もいらっしゃる方もいるかもしれませんが、このアルバムを聴くと『料理してみると煮たり焼いたりできる素材』として Joni Mitchell の歌が楽しめると思います。トリビュート・アルバム、カバー・アルバムって、腕にいい料理人がいい素材(歌)に隠し味(サウンド)やいろいろなアイデア(アレンジ)などで料理をつくるのに似てるのかもしれません。