2012.12.24 | ||
Winter Wonderland
Red Garland Trio All Kinds Of Weather (1958) |
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ジャズと聞くと、どんなイメージをお持ちでしょうか。難しい、敷居が高い、アドリブの良さがわからない、歌がないのでつまらない等の声が上がってくるかもしれません。
そういう声にお応えするのにいいのが、ピアノ・トリオではないでしょうか。ピアノの音は聴きやすいし、耳になじみやすいこともあります。巷でよく流れるものには、Bill Evans Trio の「Someday My Prince Will Come」があります。
ところで今回、紹介するジャズ・ピアニスト Red Garland は少し変わった経歴の持ち主なんです。なんと元ボクサー経験者、有名なボクサーとの試合経験もあるということです。素人考えで、ピアニストに最も大事な指のことを気にしなかったのかしらと心配します。初めはクラリネット、そしてサックスを演奏していたそうです。
彼の名前を有名にしたのは、ジャズ・トランぺッターの Miles Davis の第一期のクインテットへのピアニストとしての参加です。Miles Davis 学校から輩出されたピアニストは Bill Evans をはじめとして多士済々です。またリーダーとして、Paul Chambers のベース、Arthur Taylor のドラムスを迎えたトリオでも同時期に Prestige 他のレーベルでグルービーなアルバムを残しています。
その中の1枚が「All Kinds Of Weather」です。天気のテーマにした曲では足らず、四季をテーマした曲をプラスした構成。「Winter Wonderland」は、歌ものも演奏ものもとても人気のある歌です。音楽好きならだれでも知ってるクリスマスの定番といってもいい歌です。
その曲をピアノ・トリオで聴くのはどうでしょう。Red Garland の軽快なテンポを刻むピアノの音、それに加えて、スウイング感たっぷりの弾きぷりが実に楽しいんです。彼のピアノのアドリブの後、Paul Chambers のべ―ス、弦を弓で弾く(ボウイング)で奏でるメロディ、そして、Arthur Taylor のブラッシュ・ワークのドラミング、三者三様の息の合ったアドリブ。ジャズを初めてお聴きになる方にジャズの楽しさを十分に満喫できる楽曲だと思います。ラストにすこしだけ弾かれる「JingleBell」のフレイズがまた小粋な感じでいいです。
難しいとか、敷居が高いとか言う前に、まず、試しに聴いてほしいジャズの1枚です。余談、ジャケットも洒落てます。