2013.01.13
I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free
Irma Thomas

After the Rain (2006)

 とてもよい歌詞の曲です。冒頭で歌われるタイトルがこれです。

 "I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free"

 直訳すると「自由であることってどんな気持ちか、私に知ることができたらなあ」でしょうか。自由へのあこがれと距離感を微妙な言い回しで表現しています。日本語ではあまりない言い方ですね。

 英語をすぐにわかるのは難しいので、私がよい歌詞の曲にめぐり会うには、まず歌手やサウンドにひかれることが鍵になります。この曲に気付いたのは Irma Thomas の2006年のカバーでした。ピアノとドラムのリズム感が、アーマ・トーマスの歌唱と相まって心地よい緊張感を演出します。


I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free by Irma Thomas (2006)


 この曲はニーナ・シモンが1967年に有名にしました。アーマのアレンジもニーナの演奏に倣っています。


I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free by Nina Simon (1967)


 "I wish I could share all the love that's in my heart"

 "I wish I could give all I'm longing to give"
 "I wish I could live like I'm longing to live"
 "I wish I could do all the things that I can do"

 自由への願いに続いて歌われるのは愛への願いで、さらに普遍的なテーマに変化していき、普遍的な讃歌になっていると言えるでしょう。


I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free by Sharlene Hector for Coca-Cola CM (2004)


 普遍的なのでコーラの宣伝にも使われたそうですが、なかなかいいですね。


I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free by John Legend (2010)


 最近ではジョン・レジェンドが最新アルバムでカバーしています。

 60年代には公民権運動のテーマ曲にもなったこの曲をアーマ・トーマスがカバーしたのは、彼女がハリケーン・カトリーナで被災し、ニューオーリンズの自宅とクラブを失った後のアルバムでした。"I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free". ずっとみんなを力づけています。

(たかはしかつみ)




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