2013.02.14 - Love Songs Special | ||
Love song
具島直子 miss.G (1996) |
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「Love Songs特集」ということで、ならば真正面から「Love Song」という曲のことを書いてみようと思った。世の中に「Love Song」という名の付く愛の歌がどれだけあるのかは知らないが、自分の中で「Love Song」と言えばこの曲しかない。具島直子の「Love song」。
90年代のある日、テレビから息を飲むほど美しい曲が流れてきた。確か東芝の企業CMだったと思う。すぐに曲名とアーティスト名を書き留めて、翌日CDショップに走った。それがこの曲との出会い。たった15秒でこの曲に恋をしてしまった。
キュートな声と、大人びたサウンド。切ないメロディと、甘いアレンジ。相反する要素がひとつの曲の中でごっちゃになっている。歌詞を読んでみても、悲しいのか幸せなのかよく分からない。“楽しいことも 哀しいことも” “うれしい時も せつない時も”というような、相反する言葉が繰り返し使われるのだ。まるで人を愛することそのものが、矛盾する行為の繰り返しとでも言うように。でもそれがとてもリアルに響く。たぶん、この人はこの曲を書いた時、誰かをとても愛していたんだと思う。
具島直子は、この曲が収録された『miss.G』というアルバムでデビューしたシンガーソングライター。今までにオリジナル・アルバムは4枚しかリリースしていないが、作詞家・作曲家としてもヴォーカリストとしても、すごく才能のある人だと確信している。一時期は音沙汰が無かったが、ここ最近は活動を再開されていると聞く。この曲をYouTubeで探したら、なんとライヴの映像が見つかった。CD音源よりもジャジーなアレンジで、これもまた素晴らしい。
ちなみに彼女のプロデュースやアレンジを手掛けているのは、桐ヶ谷仁の実弟である桐ヶ谷“ボビー”俊博。その桐ヶ谷ボビー氏による“Tripping Out”なアレンジが秀逸な「Candy」(達郎ファン必聴!)も、この『miss.G』に収められている。
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