2013.07.29 - Nippon 80s Special | ||
月のランプ
平松愛理 My Dear (1990) |
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私の好きな日本の女性シンガー及び女性シンガー・ソングライターの変遷を見ると、共通点がありました。80年代の大貫妙子さん、EPOさん、大橋純子さん、そして80年代の終わりの年にデビューした神戸出身の平松愛理さん。すべてに共通するのはアレンジャーが清水信之さんということです。清水信之さんは、今回ご紹介する「月のランプ」とそれ以降も平松愛理さんの歌のアレンジを担当し、その後お互いのパートナーになりました。
私が平松愛理さんの歌を知るきっかけになったのは、確かフジテレビ系で9時台に放送されていたお笑いの二人組のウッチャンナンチャンの番組のエンディング・テーマでした。彼女の歌を耳にして、くせのない、さわやかな声質とポップで心地よいメロディにまず引き込まれました。すぐ当時、ファンクラブに入会したほどでした。
そのきっかけになった歌が、前述した「月のランプ」です。
「黄色い月が私に微笑むから/カーテン開けて眠るわ/月のランプで/愛した男達/ランプで暖めたら/思い出は輝く金星」
からはじまる彼女が紡ぎだす少しセンチなラブ・ソングの世界。歌詞から映像が浮かび、彼女のとても飾らない言葉から、独自の世界に誘い込まれていきます。彼女の作るメロディもポップ・センスがあふれています。
加えて、清水信之さんのアレンジ、サウンド・デザインは、打ち込みを多用しながらも、サウンドの隅々に隠し味(この歌ではピアニカの音がメリハリになって)を施し、その歌の持っている魅力、そして歌手の歌唱を聴くものに過不足なく伝えてくれます。
今回、2011年のリリースされた平松愛理さんの自選ベスト盤の『GOLDEN☆BEST』で「月のランプ」、「素敵なルネッサンス」「虹がきらい」を聴きながら、当時、聴いていた以上に、平松愛理さん(歌)、清水信之さん(アレンジ)が最強のコンビと実感しました。'80年代の清水信之さんのアレンジャーとしての活躍は、最近の富田恵一さんに匹敵、いやそれ以上かもしれません。
今日の1曲