2014.12.13
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By the Time I Get to Phoenix
Jimmy Webb feat. Glen Campbell
Just Across The River (2010)
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フェニックスはアリゾナ州の州都で、西がカリフォルニア、南がメキシコという環境にある。フェニックスは大都市(人口は6番目に多い!)だが、少し郊外に行くと岩とサボテンしかない光景だ。土産物屋にはインディアンの工芸品が並ぶ。
フェニックスに着くころには
彼女は目を覚まし
ぼくの置き手紙に気づくだろう
フェニックスはロサンゼルスから 600km ほど東に進んだところ。男は一晩走り続け、フェニックスで朝食をとっているのだろうか。男が女から逃げるうたである。
アルバカーキに着くころには
彼女は仕事中
昼休みにぼくの部屋に電話をしても誰も出ない
アルバカーキはロサンゼルスから 1200km ほど東に走ったところ。男はアルバカーキでまずいハンバーガーでも食べているのだろうか。
オクラホマに着くころには
彼女は眠りにつき
涙するかもしれない
本当にぼくがいなくなったことに
オクラホマはロサンゼルスから 2000km 以上東に離れたところ。一日かけて男は生まれ故郷にたどり着く。仮眠はとったのかと心配になるが(笑い)、彼女とは よほど のことがあったのだろう。
「By the Time I Get to Phoenix」は、Jimmy Webb が作曲し、Glen Campbell がヒットさせた。Jimmy Webb は、本アルバムのライナーで Glen について以下のように語っている。
“14歳のとき、父から1ドルを借りて、初めて買ったレコードが Glen Champbell の「Turn Around, Look At Me」だった。以来私は、将来ソングライターになって、できるなら Glen Champbell に自分の書いた曲を歌ってもらいたいと、文字通り神に祈ったものだった。”
若き Jimmy Webb が夢を抱いたのが 1961年、その夢は 1967年にかなうどころか大ヒット。
By the Time I Get to Phoenix / Glen Campbell (1967)
Jimmy Webb は何度かこの曲をセルフカバーしていて、
1996年には作曲者自身のピアノの弾き語りで発表され、その雰囲気のままのコンサートが
2000年に東京でも行われました。
今回の2010年のアルバムは、ゲストを1曲ずつ招いた豪華デュエット集。Glen Campbell のほかにも、Vince Gill, Billy Joel, Jackson Browne, Mark Knopfler, Linda Ronstadt ら大物がずらり、豊かな音楽を奏でます。
今日の1曲
ちなみに、この曲の4都市は、CA → AZ → NM → OK という隣接した4州を Route 66 っぽく西から東になめています。参考までに、Galveston はオクラホマの南側のテキサス州、Wichita はオクラホマの北に位置するカンザス州でした。MacArthur Park はロスのようですね。
(たかはしかつみ)