2015.02.01 | ||
Story of a Soldier
Ennio Morricone The Good, the Bad and the Ugly (1966) |
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多くの外国映画で声をアテていた俳優の大塚周夫さんが2015年1月15日にお亡くなりになりました。
ここであえて"声優"と言わないのは、大塚周夫さんがアテレコの仕事を始めた頃は"声優"という言葉がなかったこと、そして大塚さんが最近まで俳優としてテレビドラマの仕事等をしっかりなさってきたからです。
なので、テレビドラマ等で大塚さんのお姿を見かけると、「あっ大塚さんだ。」とつい声を出してしまって、何かやらかすんじゃないか(笑顔)と思ったりしたのですが、大塚さんが演じてきたのは、例えば、町内会長、PTAの役員、ビルの管理人、といったごく普通のおじさんといった役を淡々と演技なさって、それが俳優としての大塚周夫さんのスタイルだったと思います。
大塚周夫さんのアテレコの仕事として、この映画は一生忘れることができないでしょう。
『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』(1966年)
初めて観たのは、淀川長治さんの日曜洋画劇場の枠、調べてみたら初放送は1973年10月7日。
その後何度もテレビ放送され、徐々にこの枠の人気作品となり、もう夢中で観ていました。
中学生の頃、どうしてもこの映画を自分のものとして"保存"したくて、ビデオも何もない時代、買ってもらったばかりのラジカセで、テレビの音を全部録音したんです。映画を観終わってもその"音"を何度も何度も聴いていました。
曲もセリフ(吹き替え)も全て頭に入ってしまってよく覚えているんです。
この映画の原題『The Good, the Bad and the Ugly』、「いい奴、わるい奴、ずるい奴」といった意味です。
吹き替えは、以下の通り。
いい奴=クリント・イーストウッド(Clint Eastwood)=山田康雄
わるい奴=リー・ヴァン・クリーフ(Lee Van Cleef)=納谷悟朗
ずるい奴=イーライ・ウォラック(Eli Wallach)=大塚周夫
3人の騙したり、騙されたりのかけ合いが楽しく、緊張感あり、最高の吹き替え作品となりました。
そして酔っぱらいの軍人(アルド・ジュフレ)をアテた小林清志さんを合わせて、その後、この"声"の達人達は、テレビシリーズ『ルパン3世』を担当することになります。
残念ながら、山田康雄さん、納谷悟朗さん、そして大塚周夫さん、3人が故人となってしまいました。
自分の中で時代が1つ終わった感があります。
小学生のあの頃、この映画、そして3人の声に出会ったことが、映画、そして音楽が好きになった原点になっていることは間違いないです。
そのテレビの音を録ったテープの中でもだんだんと好きになった曲がこの曲、" Story of a Soldier "。
映画の中では、南北戦争の捕虜達が奏でる優しいメロディなんですが、裏の建屋ではイーライ・ウォーラックが凄まじいリンチにあっているんです。
捕虜の1人がそのことを知っていて、バイオリンが途中、弾けなくなるんですね。
忘れられないシーンです。
音楽は Ennio Morricone 。
あの特異なテーマ曲に対照的なとても美しいメロディ。
Ennio Morricone もいつかしっかり取り上げたいと思っています。
『続・夕陽のガンマン』大塚周夫さんインタビュー
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