2015.03.08 | ||
All Day
Kanye West feat. Theophilus London, Allan Kingdom and Paul McCartney Single (2015) |
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Kanye West の連作シングルの3作目「All Day」が届きました。この曲のイントロのメロディーが気になったので追っかけます。
カニエの3連作は昨年の大みそかからおよそ2ヶ月の間に相次いで発表されたもので、どれもダウンロードのみ、多少のリークを伴いながらも予告なしで全世界に同時に発売されました。
Only One - 31 Dec 2014
Kanye West feat. Paul McCartney
FourFiveSeconds - 24 Jan 2015
Rihana and Kanye West and Paul McCartney
All Day - 2 Mar 2015
Kanye West feat. Theophilus London, Allan Kingdom and Paul McCartney
3作全てが、Paul McCartney とのコラボになっています。
「Only One」は、カニエのヴォーカルとポールのキーボードだけの構成のバラードです。ポールがキーボードでリフを提供し、それを二人で膨らめていったのではないかと思います。曲の終盤はカニエの歌が終わりボールのキーボードだけに。この1分以上続くアウトロは、ポールの近年の作の中でも特筆すべき美しいものではないでしょうか。
「FrouFiveSeconds」はカニエとリアーナのボーカルとポールのアコースティックギターが基調のフォークです。詳しくは前回のレビューをご覧ください。
そして今回の曲「All Day」。この曲はイントロから合成の重低音のメロディーが繰り返され、それにカニエが、またエキゾチックなメロを Allan Kingdom がラップするヒップホップです。ポールのファンとしては、カニエとのコラボがついに《ヒップホップになった》、ポール先生が《ついに歌った》ということになります。
この曲は昨夏(2014)より製作が伝えられていたそうで、いくつかの元バージョンと思われるトラックが youtube でも見つかります(All Day, Kanye West, French Montana などと検索。それらが本当に元バージョンかどうか私はわかりませんので引用は避けます。)この時点でのポールの関与はありません。ヒップホップのリミックスを続ける曲作りに興味がわくこの頃です。(それと歌詞が聴き取れればとつくづく)
そして、ヒップホップが終わり最後の1分ででてくるのが Paul McCartney の口笛によるイントロのメロディー。このリフはポールの作であるだろうことは直感的にわかりましたが、出自はわかりませんでした。この曲はポールの『Ram』のアウトテイクである未発表曲でした。
Paul McCartney: When The Wind Is Blowing
名作「Junk」を思わせる端正な小品。40年も前のボツ曲をポールが思い出して、カニエの前で歌ってみせたのでしょうか?
この「When The Wind Is Blowing」の気になるメロですが、作曲には先生ならではの面白いエピソードがありました。なんでもリンダが出産のために入院している病院につきあったポール先生はピカソの絵がかざられているのを見つけます。その絵は「老いたギター弾き」。先生はこのギター弾きの左手に注目します。
『ギタリストは2本指でコードを押さえているんだよ、どんなコードだと思うか考えてみたんだ。そのインスピレーションでこの曲は出来たよ。この曲は全部2本指しか使ってないよ。』
インタビュー映像
口笛のあとにポールのボーカルが来ます。
Let me run (Let me run)
Let me run to see who came undone
You've been right in my face
Let me run 'til you're off my case