2015.04.16 | ||
Breezy's Song
Shelby Flint Breezy(Original Motion Picture Soundtrack) (1973) |
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またまた、クリント・イーストウッド(Clint Eastwood)関連の映画から。
『愛のそよ風』(原題:BREEZY、1973)
映画『愛のそよ風』は日本劇場未公開作品でしたが、クリント・イーストウッドの監督として3作目の作品となります。これまでの2作品、『恐怖のメロディ』(1971)、『荒野のストレンジャー』(1973)は主演を兼ねた監督作品でしたが、この『愛のそよ風』は出演せず監督に専念した初めての作品となります。(といってもラスト辺りにちょっと映っているんですが。)
これまでの西部劇、サスペンスとは趣きが異った純粋な恋愛映画で、クリント・イーストウッドは、この頃から"映画監督"としてやっていこうという思いがあったんだろうと思います。
物語は、50代中年男、ウィリアム・ホールデン(William Holden)がふとしたきっかけで、ヒッピー風の10代の少女、Breezy ことケイ・レンツ(Kay Lenz)と出会い、恋に落ちる話。いわゆる年の差恋愛の話です。
内容は地味な話なのですが、当時のクリント・イーストウッドと歳の近い50代中年男の心情だけでなく、孤独で繊細な少女の気持ちも良く描かれています。
Breezy を演じたケイ・レンツは『アメリカン・グラフィティ』(American Graffiti (1973))にも出演した女優で、一時期、デビッド・キャシディ(David Cassidy) と結婚していたようです。
この女優、ケイ・レンツですが、クリント・イーストウッド監督作品『ミリオンダラー・ベイビー』(Million Dollar Baby、2004)の主演、ヒラリー・スワンク(Hilary Swank)に似た印象を受けました。監督自身も撮影中、ヒラリー・スワンクを通して、この "Breezy " の面影を追ったのかも知れません。
この映画の製作はイーストウッド自身の映画製作会社、Malpaso Productions 。音楽通のイーストウッドは Michel Legrand に音楽を依頼しました。 Michel Legrand の劇判としてはかなり地味な内容となりましたが、この映画の雰囲気とは合っていたような気がします。
主題歌は、Michel Legrand 作曲、Alan and Marilyn Bergman 夫妻の作詞で、歌唱は Shelby Flint 。
Shelby Flint の透明な声は、主人公の揺れる心を良く表していました。
歌唱にShelby Flint がどうして起用されたかよくわかりませんが、70年に入っても、Shelby Flint はスタジオ・ミュージシャンとして音楽活動を続けていたようです。
こうやって、自分の好きな映画作品に Shelby Flint が関わっていたことを見つけるとうれしいですね。
今日の1曲