2015.05.08 | ||
Cranes Flying South
Jackie Trent & Tony Hatch Single (1969) |
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引き続き、Jackie Trent です。
Jackie Trent と Tony Hatch が結婚したのは1967年。1965年辺りから2人の共作が始まっています。1960年代後半は2人が作った曲は数も多く、一番充実した時期となります。今回はこの頃に他の人に提供した曲を数曲、取り上げてみます。
I Couldn't Live Without Your Love (Hatch-Trent) / Petula Clark(1966)
*1966年リリース。Petula Clark の1960年代後半における代表曲といっていいでしょう。Tony Hatch らしいスケール感、力強さ、奥深いメロディを感じることができる名曲です。
Gotta Get Away (Hatch-Trent) / Inst & Cho.(1970)
*Tony Hatch は1960年代初頭からイギリス・テレビドラマの劇判を多く手掛けてきましたが、そういったイギリスのテレビドラマは殆ど日本国内では放送されませんでした。しかしこのドラマ、英名 "The Persuaders" は『ダンディ2 華麗な冒険』という邦題で国内放送されました。テーマ曲は John Barry が担当しましたが、このカーチェイス・シーンには Hatch-Trent の曲が使われました。
余談ですが、このドラマ、トニー・カーティス (Tony Curtis) = 広川太一郎、ロジャー・ムーア (Roger Moore) = 佐々木功の吹替えのかけ合いが最高に楽しかったことを覚えています。
One In A Million (Hatch-Trent) / The Duprees(1967)
*オリジナルは Petula Clark 。このThe Duprees はそのカバーに当たります。
「You Belong To Me」で知られる White Doo-Wop グループ、The Duprees ですが、Jerry Ross のレーベル Heritage からリリースされた作品。こういうシャッフル・ビートはこの The Duprees の方がいい感じです。
Cranes Flying South (Hatch-Trent) / Jackie Trent & Tony Hatch(1969)
*最後にもう一度、Jackie Trent & Tony Hatch、二人の声を。Tony Hatch も優しい、いい声をしているんですね。どうしても「I Couldn't Live Without Your Love」ようなスケール感たっぷりの曲調が目がいってしまうのですが、こういう一見地味な曲調、しかし素直できれいなメロディ。題を訳せば、『ツルが南へ帰る』といった意味でしょうか。何度も聴いてしまいます。
1970年代に入っても2人はミュージカルを中心に音楽活動を続け、特にそのミュージカル公演を機会にオーストラリアに度々訪問。これがきっかけとなって、1985年にオーストラリアのコメディ・ドラマ『Neighbours』のテーマソングを手がけることになるのですが、その『Neighbours』というドラマ、今でも続いているオーストラリアの国民的ドラマらしく、今回の Jackie Trent の訃報は、母国イギリスのみならず、オーストラリアからも死を悼む声が多く聞こえてきました。
また機会を見つけ、2人の作った素晴らしいメロディを紹介していきたいと思っています。