2015.05.27 | ||
Pretty World
Sergio Mendes & Brasil'66 Crystal Illusions (1969) |
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1970年、大阪府吹田市で開催された日本万国博覧会から45年が経ちました。
その頃のことを少し。
輝かしい未来に向けて開催された国家的プロジェクト、日本万国博覧会。
僕はまだ小学生で小さかったのですが、日本中がこの"万博"(バンパク)の話題でもちきりでした。日本以外の国、世界が身近に感じたのもこの万博がきっかけになったと思います。
とりわけ音楽に関しては、海外のミュージシャン達の音楽をラジオでは聴くことはできましたが、当時、お茶の間のテレビで海外ミュージシャンが演奏する姿を観ることはそうそうありませんでした。
万博開催中は、お祭り広場など万博の主たる会場や各パビリオンの催しをNHKテレビが殆ど毎日中継していました。
そこで登場したのが、Sérgio Mendes & Brasil'66 でした。
地球の裏側から来たミュージシャンの姿、それだけでもびっくりだったのですが、演奏も曲もとっても新鮮で、カッコ良かったことをよく覚えています。
幼い僕でもアメリカやイギリスの音楽はラジオのヒットパレード番組を通じて少しは身近に感じていたんですが、Sergio Mendes & Brasil'66 はちょっと違いました。優しく瑞々しい音に触れ、感動した人は多かったと思います。
Sérgio Mendes & Brasil'66 のことを。
1966年にA&M からリリースしたアルバム『Herb Alpert Presents Sergio Mendes and Brasil '66』から4年ほど経っての来日。サウンドの要は Sérgio Mendes のアレンジ力。ブラジルの楽曲のみならず、アメリカ、イギリスの有名曲を上手にブラジル流に料理して、いつの時代も僕たちに届けてくれます。
Sergio Mendes & Brasil'66 のもうひとつの魅力は女性ボーカル。特にメインボーカルをとった Lani Hall 。ハスキーでビブラートを抑えた声がなんともクールで涼しさを運んくれます。周りの気温がちょっと下がる感じがしますね。
70年代に入ってLani Hall は結婚した夫 Herb Alpert の後押しもあってソロ活動を行い、ブラジリアンミュージックを代表する大歌手に成長します。しかし僕はLani Hall はこの Sergio Mendes & Brasil'66 時代が一番気に入っています。
あと1人の女性ボーカルは数回、交代しており、この万博の時に来日したのは Karen Philipp という女性。たぶん3代目で在籍期間の他の人に比べて長かったと思います。いつも"こっち"側の女性は美人さんなのですが、Karen Philipp さんはとりわけ美人で、 Sergio Mendes & Brasil'66 脱退後はモデル、女優業に転向したそうです。
日本で演奏された楽曲、「Pretty World」。
日本公演では Burt Bacharach 作曲の「What The Needs Now」とのメドレーで1曲目に演奏されています。
ブラジル、リオ出身の Antonio Adolfo と Tibério Gaspar の共作曲で70年代ブラジルを代表する楽曲。それにアメリカの Bergman 夫妻が英詩をつけたものです。原題「Sá Marina」、マリーナは女性の名前ですね。楽曲の特長ですが、Sergio Mendes のリズムアレンジに加え、オーケストラアレンジに Dave Grusin が参加。このストリングスは素敵ですね。
これを聴いて、今宵は少しは涼しくなるでしょうか?(笑顔)
今日の1曲