2015.06.09
Wherever Love Takes Me Wherever Love Takes Me
Maureen McGovern

From Movie Soundtrack (1974)

またまた映画音楽です。

先日たまたま、circustown.net の仲間と懐かしの映画主題歌の話になったのですが、この Maureen McGovern の名前を誰も覚えていない、もしくは知らない、という感じだったんです。一時代を風靡した人なんですが、ここでMaureen McGovernについて記憶を辿っていきたいと思います。

Maureen McGovern は 映画音楽の主題歌、特に1970年代に流行したいわゆるパニック映画の主題歌や挿入歌をよく歌っていました。一番目に耳にしたのは映画『ポセイドン・アドベンチャー』(1972年)の主題歌、「The Morning After」でした。劇判は John Williams が担当しましたが、この主題歌は Al Kasha-Joel Hirschhorn の作品。映画の中ではキャロル・リンレイ(Carol Lynley)の出演シーンで、Maureen McGovern がその主題歌をアテていました。

この映画がヒットし、製作者、アーウィン・アレン(Irwin Allen)は『タワーリング・インフェルノ』(1974年)を製作。この映画では 歌唱だけでなく Maureen McGovern 本人が出演し、主題歌となった「We May Never Love Like This Again」を歌います。作詞作曲は前回同様、Al Kasha-Joel Hirschhorn の作品。この2つの作品はそれぞれの年のアカデミー歌曲賞を受賞しているんですね。

日本でも Maureen McGovern の人気が高まり、 1974年東京音楽祭に招かれます。その時はPaul Williams が書いた「わたしの勲章」(Even Better Than I Know Myself)を歌い、先のアカデミー歌曲賞の受賞を実績にこの曲は東京音楽祭グランプリを受賞しました。当時、この東京音楽祭は全国ネットでテレビ放送されたので記憶している方も多いと思います。
その後も Maureen McGovern は映画やテレビの主題歌、そしてブロードウェイでも活躍。今でも活動しているようです。

このように Maureen McGovern は楽曲に恵まれ、 特に 20th Century Fox Records からリリースされたデビュー・アルバム『The Morning After』(1973)、そしてセカンドアルバム『Nice to Be Around』(1974)は粒よりの良い曲が収録されています。SSBでは『Nice to Be Around』から「Give Me a Reason to Be Gone」がオンエアされたこともありました。

今回はあまり知られていないこの曲、「Wherever Love Takes Me」というナンバーを。この曲はイギリスで製作されたパニック映画『ゴールド』(Gold)(1974年)の挿入歌。現在この映画、DVDも出ていないので簡単に観ることはできないですが、グライダーによる空撮シーンで流れたと記憶しています。しっとりとしたラブソングで昔から気に入っている1曲です。曲を書いたのは、映画『黄金の腕』『荒野の七人』『大脱走』等で有名な Elmer Bernstein 。この人は何でもやれる映画作曲家ですね。
この曲もその年のアカデミー歌曲賞にノミネートされたようです。したがって1974年は『タワーリング・インフェルノ』「We May Never Love Like This Again」と『ゴールド』「Wherever Love Takes Me」の2曲がノミネートされたことになります。


今日の1曲


(富田英伸)




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