2015.10.12 | ||
少しばかり旅に出る
井上侑 LIFE (2014) |
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今年に入って未知の日本の女性シンガー・ソングライターたちと出会っています。
福岡中心の活動後、東京に活動を移しながらも、東京 福岡で並行してライブ活動を広げながらファンのすそ野を広げている相川理沙さん。路上で歌いながらメジャーデビューを果たし、CMソングでも多くの方がその声を耳にされるようになった奥華子さん。
そして、今回、紹介する井上侑さんもその音楽キャリアを見ると、路上で歌った経験を持つシンガー・ソングライターのひとりでした。
2007年にデビュー・アルバム『さようなら』を発表後、カバー・アルバムを含めて、現在まで5枚のアルバムをリリース。また、他にも自主制作したCDやライブDVDのリリース等、活発な音楽活動をしています。
プロデューサーに元くるりのキーボード兼ドラマーの田中佑司氏を迎えて制作された2014年リリースの彼女の5枚目のアルバム『LIFE』。その中の「少しばかり旅に出る」は、彼女のキラー・チューンのひとつではないでしょうか。
リズミックなシンセ(?)とエレキ・ギターの音をバックにして歌われる
「おはよう、爺/すこしばかり旅に出る/新しい出会いがわらわを待っている」。
絵本を読んでいるような気持ちにさせます。あたかもおとぎ話の桃太郎のイメージと重なる主人公(解説では「武将の末裔」が主人公)が旅に出る物語のはじまりをイメージさせます。
歌詞に「命がけで歴史を作った勇者たち」の名前が並び、主人公が旅に出る現実世界と夢想される世界に私たちも一緒になって旅をしてる感覚に、彼女の歌とサウンドが身をゆだねさせます。
「戦などには興味はない/敵はいつもここにいる/分け合って暮らそう」
「憎しみが憎しみを生み/また傷つけ合うような/時代にピリオドを」
反戦といえば、大げさかもしれないが、猛々しくなく、すがすがしく清らかに歌われるのが好きですね。
同アルバムの
「野音のチケット取れたんだけれども/観に行かない?」
から始まる「野音」もほろ苦いラブ・ソングで好きですね。
今日の1曲