2015.11.28 - Songwriter | ||
What a Wonderful World
George David Weiss (1967) |
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George David Weiss というソングライターは一般的には、この2曲について携わった人として認知されています。
1曲は、Elvis Presley が歌った "I Can't Help Falling in Love" (邦題:好きにならずにいられない) (1961年)、クレジットは George David Weiss と音楽プロデューサーチーム Hugo Peretti-Luigi Creatore との共作。
もう1曲は、Louis Armstrong が歌った "What a Wonderful World" (邦題:この素晴らしき世界) (1967年)、クレジットは音楽プロデューサー Bob Thiele との共作。
皆さんご存知の有名な2曲を作った方なのですが、ソングライター、George David Weiss は日本国内では認知度も低く、語る人もあまりいなかったので、全貌もよくわかりませんでした。
しかし今回いろいろ調べてみたら、George David Weiss という人が残した楽曲がいかに素晴らしいか、また時代を越えて、音楽ジャンルを越えて多くの楽曲を製作してきたことも驚きました。
George David Weiss は2010年に既に亡くなっており故人ですが、その足跡を辿るととともに、代表曲、僕の好きな曲をいくつか紹介したいと思います。なお George David Weiss は作曲のみならず、作詞のみ提供している楽曲も存在しているようで、不明点も多いことをご了承ください。
日本ではこれまであまり語ることの少なかったソングライター、George David Weiss について2回に分けて書いていきたいと思います。
George David Weiss は1921年、ニューヨーク生まれ。もともと弁護士や会計士を目指していたようですが、好きだった音楽の道を選び、ジュリアード音楽院に進んだようです。Stan Kenton 楽団等の編曲の仕事につき、レコードは Perry Como の "Surrender" (1946年) や Patti Page の "Confess" (1948年) など、クレジットに George David Weiss の名前を見つけることができます。いずれも共作なので、作曲作詞等どのように関わったか不明です。George Shearing が書いた "Lullaby of Birdland" (1952年) に詩をつけたのは George David Weiss でした。この頃になると George David Weiss の名前が世間に知られるようになります。
1960年代になると、ミュージカルや映画音楽も手掛けるようになり、既にスターだった Elvis Presley の出演映画のために提供した "Can't Help Falling in Love" (1961年、 Hugo Peretti-Luigi Creatore との共作) が映画と共に世界的なヒットとなります。この頃になると既存のジャズ、スタンダード・ボーカル歌手のみならず、Linda Scott や Little Peggy March など10代向けのポップスも書くようになります。1961年には元々アフリカの伝承曲だった曲に George David Weiss と Hugo-Luigi チームによって詩、主旋律メロディを加えられ、The Tokens が歌った "The Lion Sleeps Tonight" (邦題:ライオンは寝ている) がヒット。しかしこの楽曲については2004年になって著作権について物議を醸すことになります、この曲のいきさつについてはあらためて書きたいと思っています。
1968年、Bob Thiele (別名 George Douglas) と共作し Louis Armstrong に " What a Wonderful World" を提供。この曲はその年のアメリカ・ビルボード・チャートでは100位以内にも入りませんでしたが、当時の激化するベトナム戦争を嘆き、鎮魂歌として今でも世界的に愛される曲となりました。
1970年代以降の George David Weiss の業績についてはまた次回に。
これまでの時代で George David Weiss が関わった曲で、代表曲、僕の特に気に入っているナンバーを数曲、紹介。
Can't Help Falling in Love (Hugo Peretti-Luigi Creatore-George David Weiss) / Elvis Presley (1961)
誰もが知っている美しいメロディ。18世紀にパリで Jean Paul Martini によって作られた "Plaisir D'Amour" を元に作られた楽曲。"What a Wonderful World" もそうですが、George David Weiss が書く曲はいつ聴いても胸つかまれる切ない曲調が特長。代表曲です。
Starlight, Starbright (Bob Davis-George Weiss) / Linda Scott (1961)
星姫、Linda Scott へ提供された楽曲。同年1961年にはこの楽曲を表題にしたアルバム『Starlight, Starbright』がリリースされましたが、収録されている楽曲は全て (星="Star") にちなんだ曲。これまで数々発表されてきた"星"の名曲にひけをとらないオリジナル曲です。
That Sunday, That Summer (George David Weiss-Joe Sherman) / Nat King Cole (1963)
1960年代に入って Nat King Cole に提供された楽曲。Joe Sherman も作曲家 (兄弟の Noel Shermanは作詞家) なので、George David Weiss がどのようにこの曲と関わったか詳細不明ですが、いい曲です。僕の"夏"の歌、Favorite Song。
What a Wonderful World (Bob Thiele-George David Weiss) / Louis Armstrong (1967)
ロック、ポップス全盛期の1967年にこの普遍性のあるメロディを書き、 Louis Armstrong に提供したことはほんとうに素晴らしいです。
(次回に続く)