2017.02.14 - Songwriter
Never My Love Never My Love
Don and Dick Addrisi [Songwriter]

(1968)

Songwriterシリーズ、今回は西海岸中心に活躍した Addrisi Brothers として知られる、Don and Dick Addresi を取り上げます。

Donald "Don" Addrisi が1938年生まれ、Richard "Dick" Addrisi が1941年生まれ。出生地はマサチューセッツ州のウインスロップ。兄の Don は1984年に45才の若さで亡くなっています。
1950年代末に Del-Fi Records の オーナーの Bob Keane に見出されて、デュオグループ、The Addrisi Brothers としてその音楽キャリアを出発します。Del-Fi Records から数枚のシングルをリリース。1959年にリリースした自作の曲 "Cherrystone" は Billboard で62位まで上昇します。

その後、Barry DeVorzon が設立した Valiant Records と契約して、デュオグループとしての活動の傍ら、ソングライターとして活動することになり、Valiant Records 所属のミュージシャン達に楽曲提供していくことになります。

1967年、同じ Valiant Records 出身の The Association に提供した "Never My Love" がヒットとなり、プラチナムレコードを獲得します。1972年には、Columbia Records からアルバム『We've Got To Get It On Again』をリリースし、1979年までに合計3枚のアルバムを残しました。

例によって一部ですが、Don and Dick Addrisi が書いた作品を時代を追って聴いてみたいと思います。


Cherrystone (D. Addrisi-R.Addrisi) / Addrisi Brothers (1959)

1959年、Del-Fi Records からリリース。2人による自作の曲です。Billboard で62位のヒットとなります。彼らが出演したテレビショーから。Del-Fi Records 時代はそのレーベル色を反映して、ロックンロール・スタイルの楽曲が多いです。


My Heart Tells Me To Believe (Don and Dick Addrisi) / Loretta (1964)

1964年、Valiant Records からリリース。Loretta というガールシンガーに提供した楽曲。バックコーラスは Addrisi Brothers が歌っています。アレンジは Barry and the Tamerlanes のメンバーだった Bodie Chandler が担当しています。サウンドスタイルは当時人気の The Four Seasons の感じです。


Side by Side (Don and Dick Addrisi) / The Addrisi Brothers (1965)

1965年、The Addrisi Brothers が Valiant Records に残したシングル。Valiant Records では Del-Fi Records 時代とはうって変わり、メロウな曲を書きました。アレンジは上記と同じく、Bodie Chandler が担当。


Bluebird (Don and Dick Addrisi) / Shelby Flint (1966)

Shelby Flint の1966年のアルバム『Cast Your Fate To The Wind 』に収録されていた楽曲。The Addrisi Brothers の優しいメロディは Shelby Flint の声にぴったりです。


Don't Blame The Rain (Don and Dick Addrisi) / The Vogues (1966)

オリジナルは1966年の The Association のアルバム『And Then...Along Comes The Association 』の収録曲ですが、同年に The Vogues が取り上げました。The Association よりも出来がいい感じがします。


Never My Love (Don and Dick Addrisi) / The Association (1967)

Never My Love (Don and Dick Addrisi) / Addrisi Brothers (1977)

1967年、既に Valiant Records から親会社の Warner Bros Records に移籍した The Association に提供した楽曲。Don and Dick Addrisi の代表する曲となりました。その時のプロデューサーは Bones Howe。後に The 5th Dimension を初め多くのミュージシャンに取り上げられました。今回は、1977年リリースの Addrisi Brothers によるセルフカバーも一緒に。


Windy Wakefield (Don and Dick Addrisi) / Mark Lindsay (1970)

1970年、Mark Lindsay のアルバム『Silverbird 』のラストに収録された楽曲。プロデューサー Jerry Fuller、アレンジャー Artie Butler によって楽曲の良さが十二分に引き出されています。


Nanny And The Professor (Don and Dick Addrisi) / Addrisi Brothers (1970)

NHK総合テレビでも放送していたアメリカ制作のテレビ番組『ぼくらの"ナニー"』(1970) の主題歌。NHK総合での放送はこのメロディに、「ぼ・く・らの〜"ナニー"は、そうさ、何でもできるんだ!」という日本語詩がついていました。


I Believe You(Don and Dick Addrisi) / Dorothy Moore(1977)

I Believe You (Don and Dick Addrisi) / Carpenters (1978)

1977年、Malaco Records からリリース。ミシシッピー州出身のシンガーDorothy Moore に提供した楽曲。1978年に Carpenters が取り上げ、後にアルバム『Made in America 』に収録されました。落ち着いたいい曲です。


Somebody Found Her (Dennis Lambert & Brian Potter) / The Addrisi Brothers (1973)

最後にちょっとレア音源を。1973年Bell Records からリリースされた作品。曲を書いているのは、 Dennis Lambert & Brian Potter。アレンジは Bob Alcivar で、プロデュースは Bones Howe。これはいい曲です!

(富田英伸)




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