2017.09.28 - Songwriter
It's Not Unusual It's Not Unusual
Les Reed with Gordon Mills, Barry Mason - Songwriter

(1965)

(間が空きましたが、ライブ解禁ということでアップします。)

Songwriterシリーズ、イギリスのソングライター Les Reed の2回目です。

2回目は Gordon Mills、Barry Mason とのコラボレーションについて取り上げていきたいと思います。

まず、Gordon Mills の簡単な経歴をみていきます。
Gordon Mills は1935年、旧イギリス領マドラス(現チェンナイ)生まれ。
10代の頃に旧イギリス領マドラスから本国イギリスへ移住。1950年代後半に男性3人グループ、The Viscounts のメンバーとして、Barry Mann の楽曲のカバー "Who Put The Bomp" などをリリースしています。

1960年初頭にソングライターとして、The Searchers や Johnny Kidd And The Pirates に Gordon Mills 単独クレジットとなる "Hungry For Love" の提供を皮切りにソングライターとして楽曲を制作していきます。提供曲を受けたミュージシャンを挙げてみると、Cliff Richard And The Shadows、Bobby Rydell、The Applejacks といった人達。

1965年の Tom Jones のデビューアルバム『Along Came Jones』の音楽ディレクターを Les Reed が担当し、Gordon Mills との楽曲を共作を含め、多くの楽曲を採用しました。その後、Gordon Mills は Tom Jones のステージ・マネージメントを含めたミュージカル・ディレクターとなっていきます。

1970年には Tom Jones との共同で MAM Records を設立し、そこから Gilbert O'Sullivan、Engelbert Humperdinck や Lynsey De Paul がレコードをリリースしていきます。
ちなみに 1972年の Gilbert O'Sullivan のヒット曲、"Clair" は Gordon Mills の当時3才の娘を歌った曲で、終わり部分にその Clair ちゃんの笑い声が入っています。Gordon Mills は1986年、51才で早世。

ここでは Tom Jones の1965年のデビューアルバム『Along Came Jones』から2曲、聴いてみたいと思います。


It's Not Unusual (Gordon Mills-Les Reed) / Tom Jones (1965)

1965年、邦題「よくあることさ」で知られる大ヒットナンバー。明るい開放感溢れる曲です。その後多くのカバーが生まれました。
今回はThe Ed Sullivan Show のライブから。

途中の腰の振り!、ライブでもやってほしかったですね〜(笑顔)


I've Got A Hear (Gordon Mills-Les Reed) / Tom Jones (1965)

Tom Jones の1965年のデビューアルバム『Along Came Jones』の1曲目に収録されているナンバー。"It's Not Unusual" に似た雰囲気の曲、お気に入りの曲です。


続いて Barry Mason について
Barry Mason は1960年中期から Les Reed とチームを組んでチームとしては一番長く活動し、そして多くを共作し、楽曲を残しました。
Barry Mason は1935年イギリス、ランカシャー州生まれ。1960年初期の頃からソングライターとして活動を開始。1966年からはシンガーとしても活動しています。Les Reed 共作以外には、Tony Macaulay と Sylvan Whittingham と組んで、Edison Lighthouse に "Love Grows (Where My Rosemary Goes)" を提供しています。
Les Reed が Barry Mason とチームを組むのは1960年中期辺りですが、当初はビート・グループ等にも楽曲提供していましたが、徐々にMOR系のシンガーに楽曲提供していくようになります。
Les Reed-Barry Mason チームの楽曲を4曲程、聴いてみたいと思います。


Here It Comes Again (Barry Mason-Les Reed) / The Fortunes (1965)

イギリス、バーミンガムで結成されたビート・グループ The Fortunes に1965年に提供した楽曲。ストリングスを配置してこれまでのビート・グループにはない世界観です。途中のタブル・ボーカルの箇所もいいですね。


I'll Try Not To Cry (Barry Mason-Les Reed) / Kathy Kirby (1965)

1965年、マリリン・モンロー・スタイルのブロンドヘアで人気を博した Kathy Kirby に提供したバラード曲。ミュージック・ディレクターは定評のある Ivor Raymonde が担当しています。


Have Pity On The Boy (Barry Mason-Les Reed) / Paul & Barry Ryan (1966)

1966年、双子の兄弟デュオ、Paul & Barry Ryan に提供した楽曲。アレンジ、プロデュースも Les Reed が担当。Barry Ryan はその後、ソロ・シンガーとして活躍、Paul Ryan はソングライターとして活動することになります。


The Last Waltz (Barry Mason-Les Reed) / Engelbert Humperdinck(1967)

1967年、Engelbert Humperdinck に提供した、誰もがご存知の素敵なワルツ・ナンバー。時代を超えて多くの人に愛された名曲です。UK Singles Chart を5週続けて1位を獲得。その後、無数のカバーが生まれました。

(富田英伸)




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