2017.10.13 - Songwriter
Still the Lovin' Is Fun Still the Lovin' Is Fun
Chris Christian - Songwriter

(1977)

Songwriterシリーズ、今回は Chris Christian を取り上げます。

Chris Christian は現在でも、クリスチャン・ミュージック(Contemporary Christian Music = CCM)界隈で活動している、シンガー、ソングライター、プロデューサー。今回はデビュー時期から1980年初頭辺りまでフォローしていきたいと思います。

Chris Christian は1955年、テキサス州テキサス州アビリーン生まれ。1974年、Jerry Reed へ楽曲提供しています。同年、Elvis Presley のアルバム『Promised Land』にも楽曲を提供。
1975年、当時、MGM Records のプロデューサーだった、Mike Curb が仕掛けた3人組のグループ、Cotton, Lloyd & Christian のメンバーとなります。中心となったのは、Michael Lloyd でしたが、他の2人、 Darryl Cotton、Chris Christian も楽曲を書いています。活動時期は1975年から約2年程で映画のサウンドトラック盤を含め、3枚程のアルバムを残しました。

その後、ソングライター、プロデューサーとして、手始めに B.J. Thomas を手掛けます。1977年には後にクリスチャン・ミュージック界で高い人気を誇る、Amy Grant を見い出し、デビューアルバムをプロデュース。
その後も多くのミュージシャンに楽曲提供していきました。その一部を挙げると、Olivia Newton-John、Donny Osmond、The Boones (The Boone Girls)、Dan Peek、Sheena Easton、Dionne Warwick、Cheryl Ladd 等々。

1977年、Chris Christian 自身もクリスチャン・ミュージック界隈の レーベル、Myrrh Records からデビューアルバム『Chance』をリリース。同レーベルから2枚程のアルバムをリリースしました。
1981年には The Boardwalk Entertainment からアルバム『Chris Christian』をリリース。プロデュースには The Four Seasons の Bob Gaudio が就きました。
その後もソングライター、プロデュース業傍ら、自身のアルバムもコンスタントにリリースしています。

今回は1975年から1981年辺りの楽曲を聴いていきたいと思います。


Love Song Of The Year (Chris Christian) / Elvis Presley (1975)

1975年、Elvis Presley のアルバム『Promised Land』収録曲。Elvis Presley が歌うには優しい曲ですがいいメロディです。


I Don't Know Why You Love Me (Chris Christian) / Cotton, Lloyd & Christian (1976)

1976年、Cotton, Lloyd & Christian のアルバム『Number Two』に収録された楽曲。Cotton, Lloyd & Christian は、中心メンバーの Michael Lloyd が書くことが多かったですが、この曲は Chris Christian の単独クレジット。他の曲に比べてひと際メロウです。


Still The Lovin' Is Fun (Chris Christian) / B.J. Thomas (1977)

B.J. Thomas へのプロデュース作品の2作目に当たります。とっても前向きなラブソング。Chris Christian が書いた曲で一番のお気に入りです。
この頃、B.J. Thomas はクリスチャン・ミュージック のレーベル、Myrrh Records から4枚程のアルバムをリリースしましたが、その多くは Chris Christian がプロデュースを担当しました。


All Things Are Possible (Chris Christian-Dan Peek) / Dan Peek (1978)

バンド、America 出身の Dan Peek のソロ・デビューアルバム『All Things Are Possible』の1曲目。Chris Christian はアルバムプロデュースを担当しました。Chris Christian と Dan Peek との共作曲です。同アルバムに共作曲を含め、4曲提供。終盤のコーラスが素晴らしいです。


No I've Never (Chris Christian-Lanier Ferguson) /The Boones (1980)

Pat Boone の娘さん、4人姉妹で結成されたグループ、The Boones。1979年のアルバム『Heavenly Love』から。アルバムプロデュースを Chris Christian が手掛けました。風が通りぬけるような涼しいサウンド。メンバーの Debby Boone はその後、ソロデビューし人気を博します。


God Bless The Children(Chris Christian-Shanon Smith) / B.J. Thomas(1979)

クリスマス・ナンバーを1曲。初出は1979年のクリスマス企画アルバム『On This Christmas Night』。このアルバムはクリスマス企画アルバムの中でも優れたアルバムだと思います。参加ミュージシャンは、B.J. Thomas の他、Amy Grant、Dan Peek、The Boones、その他、 Chris Christian が手掛けたミュージシャンが一斉に介しています。


Love's The Only Way To Survive (Brown Bannister-Chris Christian) / Little Anthony (1980)

1960年代に人気を博した Little Anthony & The Imperials のリードボーカル、Little Anthony こと Anthony Gourdine が1980年にリリースした初ソロ・アルバム。Executive Producer には B. J. Thomas の名前がクレジットされています。その関係で Chris Christian が楽曲提供したと思われます。
演奏、Anthony Gourdine のボーカルも素晴らしいです。


What Can There Be (Chris Christian-Brad Smith) / Chris Christian (1981)

Houston (Chris Christian-J.C. Crowley) / Chris Christian (1981)

1981年、The Boardwalk Entertainment からのアルバム『Chris Christian』からこの2曲を。The Four Seasons の Bob Gaudio にプロデュースを託し、当時流行っていた AOR の波に乗ってこのアルバムはかなり人気を博しました。
アレンジは Greg Mathieson。共作者はバンド、Player のメンバーで "Baby Come Back" のソングライティングで知られる J.C. Crowley です。

(富田英伸)




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