2017.12.14 - Songwriter | ||
Dreaming's Out Of Season
Phil Perry - Songwriter (1972) |
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Songwriterシリーズ、今回は Phil Perry を取り上げます。
Phil Perry はボーカリストとして評価がとても高い方ですが、今回は初期の作品を中心にソングライターとしての側面を取り上げていきたいと思います。
Phil Perry は1952年、イリノイ州、スプリングフィールド生まれ。1960年後期にセントルイスで結成された The Montclairs というボーカルグループで活躍。グループの多くの曲は Phil Perry が曲を作っていました。1972年にはアルバム『Dreaming Out Of Season』をリリース。
1970年中期、The Montclairs から離れてからは一時、目立った活動はありませんでしたが、1980年に Chuck Jackson & Marvin Yancy チームで知られる Chuck Jackson と組んで、Aretha Franklin に楽曲を提供。
同年、The Montclairs のメンバーだった Kevin Sanlin を誘い、Perry & Sanlin を結成、アルバム『 For Those Who Love 』をリリース。プロデュースには Chuck Jackson、Dr. Cecil Hale が就きました。翌年にもアルバム『We're The Winners 』をリリース。
1980年代は、多くのミュージシャンのアルバムにスタジオミュージシャンとしてバックボーカルとして参加。一部を挙げると、Sergio Mendes、Bill Withers、Bobby Womack 、Rod Stewart、James Ingram、George Benson、Boz Scaggs、The Crusaders 等々。特にギターリスト Lee Ritenour のグループメンバーとして、数回、日本公演も行い、日本国内でも人気をを博します。
1991年にはソロアルバム『The Heart of the Man』をリリースし、その後も現在までコンスタントにアルバムをリリースしています。
Dreaming's Out Of Season(Phil Perry) / The Montclairs(1972)
セントルイスで結成されたボーカル4人組ボーカルグループ、The Montclairs の代表曲。決して垢抜けていないサウンド仕上がりですが、憂いのあるメロディーは普遍性があり、心にと染みてきます。
Beggin' Is Hard To Do(Phil Perry) / The Montclairs(1972)
The Montclairs によるこれもどこか陰りを持った楽曲で、他の当時流行ったスィートソウル・グループとは異質でニューヨーク、フィラデルフィア録音だともっと違ったものになっていたと思います。セントルイス録音が独特のものにしています。
United Together(Chuck Jackson-Phil Perry) / Aretha Franklin(1980)
1980年、Chuck Jackson に見い出された形で、Aretha Franklin に提供した楽曲。Chuck Jackson と組んだ作品でプロデュースも Chuck Jackson が担当しました。Aretha Franklin の素晴らしい歌唱もあり、スケールの大きいバラードに仕上がっています。
Take Me With You(Chuck Jackson-Phil Perry -Tony Coleman) / Aretha Franklin(1980)
先の "United Together" のB面収録曲。The Montclairs 時代とは異なり、サウンドは洗練しています。Tony Coleman がリズムアレンジ、Benjamin Wright がホーン、ストリングス・アレンジを担当しています。心地いいリズムで自然と体も横に揺れてきます。
Off Your Love(Phil Perry-Charles Jackson) / Perry & Sanlin(1980)
I'm So Glad There's You (Phil Perry) / Perry & Sanlin(1980)
1980年、Capitol Records からリリースの Perry & Sanlin のアルバム『 For Those Who Love 』からこの2曲を抜粋。Skip Scarborough と Thom Bell-Linda Creed のカバー2曲以外は、Phil Perry を中心に書かれた曲となっています。非常に完成度の高いアルバムです。基本的には先の Aretha Franklin と同様、Tony Coleman がリズムアレンジ、Benjamin Wright がホーン、ストリングス・アレンジを担当。
Dreaming's Out Of Season(Phil Perry) / Phil Perry(2015)
最後に 2015年リリースアルバム『A Better Man 』に収録されたセルフカバー、"Dreaming's Out Of Season" を。サウンドはかなり洗練されていますが、この曲が本来持っている憂いや陰りはやっぱり染みます。