2019.02.18 - Magic Voice | ||
Gonna Get Along Without Ya Now
Anita Kerr (1964) |
||
(2019年2月17日SSB『Roy Orbison特集』で Anita Kerr のコーラスが登場したので、)
Magic Vocicesシリーズ、
今回は Anita Kerr を取り上げます。
Anita Kerr はSongwriterシリーズでも取り上げましたが、1950年代から1960年代にかけて多くのミュージシャンのバックコーラスとそのコーラスアレンジを施した人です。今回は特にナッシュビル時代に手がけたコーラス作品を聴いてみたいと思います。
Anita Kerr のそれまでの経歴を簡単に。
Anita Kerr こと Anita Jean Grilli は1927年、テネシー州メンフィスでイタリア系移民の一家に生まれています。1950年代から家計を助けるため、ラジオ番組のピアノ伴奏等の仕事をするようになります。その頃、彼女の初のコーラスグループ、The Grilli Sisters を結成。1948年にナッシュビルに移り、ダンスバンド等で歌い始めます。同時にナッシュビルのレコードスタジオでも仕事をするようになります。そこでギターリストであり、プロデューサーの Chet Atkins にそのコーラスアレンジを腕を買われ、Chet Atkins がプロデュースした作品で多くのコーラスアレンジを手掛けることになります。
1960年代に入るとナッシュビルを離れ、音楽の拠点をロサンジェルスに移し、Warner Bros. Records と契約。多くのミュージシャンのコーラス・サポートを行う傍ら、The Anita Kerr Singers を結成し、活躍することになります。
今回は Anita Kerr がナッシュビル時代に手がけたコーラス作品を聴いてみたいと思います。
Gonna Get Along Without Ya Now (Milton Kellem) / Skeeter Davis (1964)
1957年に Patience & Prudence も歌ったとっても可愛い曲。1964年に Chet Atkins がプロデュースでシングルがリリースされました。呼応する女性コーラスの雰囲気がいい感じ。後半部分を聴くと Anita Kerr の声がわかりやすく聴こえてきます。
Dynamite (Mort Garson-Tom Glazer) / Brenda Lee (1957)
日本国内でも人気のあった曲。"リトル・ミス・ダイナマイト" Brenda Lee のパンチある声と対照的で清楚なコーラスが清涼剤になっています。アレンジャーで有名な Mort Garson が初期に作った曲です。
Sugarfoot Rag (George Vaughn-Hank Garland) Duane Eddy (1963)
1963年の Duane Eddy のアルバム『"Twang" A Country Song』の1曲目に収めれたナンバー。バックボーカルは Elvis Presley のバッキングをやったことで有名な The Jordanaires が参加しています。
Raindrops (Joe Melson) / Roy Orbison (1961)
1961年、Roy Orbison のアルバム『Lonely And Blue』に収められた曲。Roy Orbison と盟友となり Roy Orbison と一緒に多くの楽曲を作った Joe Melson 単独クレジットの作品。リズムが雨だれの音に聴こえてきます。
Make The World G Awayo (Hank Cochran) / Jim Reeves (1965)
ナッシュビルのシンガーソングライター、Hank Cochran の曲。Jim Reeves の低い声に対照的な Anita Kerr の美しい声が印象的です。これも Chet Atkins のプロデュース作品です。
Hot Spot (Boudleaux and Felice Bryant) / Boudleaux Bryant & The Sparks (1959)
1959年、The Everly Brothers に多くの楽曲を提供した Boudleaux Bryant 自身がリリースしたインスト・ナンバー。ノンクレジットですが、ナッシュビル録音なので、バックコーラスは Anita Kerr のグループだと思います。