2019.05.22 - Songwriter | ||
1-2-3
John Madara-David White - Songwriter (1965) |
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Songwriterシリーズ
ソングライターチーム、John Madara-David White の第2回目です。
1960年に2人が設立した Madara and White Productions が拠点にしたのはフィラデルフィアでした。プロダクションを設立しながらも Danny & The Juniors の活動を続けていたようです。
2人が初めて手掛けたミュージシャンは、Maureen Gray という黒人女性で1961年、フィラデルフィアの Chancellor Records からリリースした" I Don't Want To Cry (In Front Of You) " というナンバーでした。
1963年には The Lavenders というグループを手掛け、"One More Time" という曲をリリースしています。The Lavenders には後に Kenny Gamble と共同で Philadelphia International Records を設立することになる Leon Huff が在籍しており、その Leon Huff とも交流が始まります。また Philadelphia International Records で活躍することになるシンガー、プロデューサーの Bunny Sigler もこの時代、Madara-White が手掛けました。
フィラデルフィアで結成されたボーカルグループ、The Dovells でリードボーカルだった Len Barry を手掛けることになり、1965年にリリースした "1 - 2 - 3"が大ヒットします。
ここでは Madara-White が主にフィラデルフィアで手掛けた楽曲を聴いていきたいと思います。
1-2-3(David White-John Madara-Leonard Borisoff aka Len Barry) / Len Barry(1965)
1965年、Brunswick / Decca Records からリリース。Billboard Hot 100の2位となります。Madara-White とLen Barry との共作曲です。アレンジは Jimmy Wisner。パーソネルの記載が残っています。以下の通りです。
Drs: Bobby Gregg
B: Joe Macho
Gt: Vinnie Bell / Bobby Eli / Sal Ditroia
P: Leon Huff
Per: Artie Butler
Sax: Artie Kaplan
Like a Baby(David White-John Madara-Len Barry) / Len Barry(1966)
1966年リリース。"1-2-3" 同様、Madara-White と Len Barry との共作曲。演奏メンバーも上記と殆ど同じだと思います。"1-2-3"同様、心地よいドラムス、パーカッションです。本来ピアニスト、アレンジャーの Artie Butler がパーカッションを担当していたとはちょっとびっくりです。いいドラムス、いいパーカッションの音色です。
It's That Time Of The Year(David White-John Madara-Len Barry-Leon Huff) / Len Barry (1966)
1966年リリース。Madara-White と Len Barry、そして Leon Huff が作曲に加わっています。軽快な1曲です。楽曲の良さに加え、同時期、Jerry Ross Production でも活躍していた Jimmy Wisner のアレンジが冴えています。
This Time It's Love(David White-John Madara-Len Barry-Leon Huff-Billy Jackson) / The Tymes(1967)
"So Much In Love" のヒットで知られる The Tymes もフィラデルフィアで結成されたボーカルグループでした。その "So Much In Love" の作者の1人である Billy Jackson、そして Leon Huff と Madara-White との共作曲です。アレンジは Joe Renzetti。
I Love You Baby(David White-John Madara-Len Barry-Leon Huff-Len Barry) / Cindy Scott(1967)
1967年リリース。Leon Huff と Madara-White そして Len Barry との共作曲。Cindy Scott という人は別名、Sundray Tucker の名前で、Supremes、Labelle などの女性ボーカルグループを渡り歩いた人です。アレンジは Joe Renzetti。
The Thought Of Loving You(David White) / Crystal Mansion(1968)
1960年代末になると、Madara-White はチームを解消し、David White は Crystal Mansion というグループに参加します。そこでサックス・プレイヤーで知られる Artie Kaplan と共同プロデュースでシングル "The Thought Of Loving You" をリリースします。David White 単独クレジット作品。この曲は後に、Cher、The Spiral Starecase、The Manhattan Transfer などが取り上げました。
Everything's In Love Today(David White-Johnny Caswell) / Crystal Mansion(1969)
1969年リリースした2枚目のシングル。Crystal Mansion のメンバーの Johnny Caswell と David White との共作曲。リードボーカルはその Johnny Caswell。美しいバラード曲です。
一方、John Marada のその後の動向を少し。John Marada はフィラデルフィアで音楽活動を続けました。そこで若き日の Hall & Oates と出会い、彼らを見出したと言われています。
"4-5-6" (Now I'm Alone) (John Madara-Len Barry-Joe Renzetti) / Len Barry(1968)
最後に1968年、Len Barry がリリースしたナンバー。"1-2-3" のような快活な曲と思いきや、まったく違う雷の音から始まるバラード曲。プロデュース John Madara の下、アレンジは Joe Renzetti。John Madara、Len Barry、そして Joe Renzetti との共作曲となっています。
*写真は左から Dave White、Joe Renzetti(アレンジャー)、John Madara