2019.05.29 - Cinema Music Composers | ||
Li'l Darlin'
Neal Hefti (1964) |
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Cinema Music Composers シリーズ、
Neal Hefti を取り上げたいと思います。2回に分け、今回は初期の頃の曲について書いていきたいと思います。
Neal Hefti は1940年代からトランぺッターとして活躍、その後、ジャズアレンジャー、映画作曲家に転身した人です。
Neal Hefti は1922年、ネブラスカ州ヘイスティングス生まれ。2008年に亡くなっています。10代の頃からトランペットを吹き出したそうです。その後、学校卒業後、ニューヨークに出てジャズトランぺッターとして活動を開始し、多くのジャズ・ミュージシャン達と出会い、様々なジャズスタイルを学び取っていきます。
1940年中期、カリフォルニア巡業中に、既にビッグジャズバンドを率いて活躍していた Woody Herman と出会い、楽団の1員として参加します。ここでトランペット演奏のみならず楽団のためにアレンジを施したり、楽曲を提供するようになります。Woody Herman の楽団でボーカルを務めていた歌手、Frances Wayne と結婚。1946年に Woody Herman の楽団から独立、Neal Hefti And His Orchestra を結成します。この頃、Dizzy Gillespie に敬意を表した曲、"I Woke Up Dizzy" をリリースしています。
1950年代になると、Neal Hefti の才能に惚れ込んで、Count Basie や Harry James からもアレンジや楽曲提供の依頼が舞い込むようになり、軸足はトランぺッター奏者から作曲家、アレンジャーとなって活動していくことになります。Neal Hefti 自身もまたリーダーアルバムの数枚リリース、そして奥様の Frances Wayne のボーカルアルバム等を制作しました。
今回は映画用に書かれた曲ではなく、初期の頃に作成された曲を中心に聴いていきたいと思います。
Banana Split (Neal Hefti-Steve Allen) / McGuire Sisters (1958)
1950年代後半にアレンジ全般を手掛けた女性3人組 McGuire Sisters に提供した1曲。共作者はピアニストの Steve Allen でこのピアノソロも Steve Allen が弾いています。たくさんの美味しそうな食べ物が登場する Neal Hefti らしい楽しい曲です。
Falling in Love All over Again (Neal Hefti) / Neal Hefti and his Orchestra (1953)
Falling in Love All over Again (Neal Hefti) / Phil Woods (1955)
1953年に Coral Records からリリースした Neal Hefti 率いる楽団によるバラード。とっても美しいバラードで、当時はサックス奏者の Phil Woods も取り上げていました。その Phil Woods のバージョンも一緒に。
Li'l Darlin' (Neal Hefti) / Neal Hefti (1964)
Li'l Darlin' (Neal Hefti) / The Four Freshmen (1962)
1964年に 20th Century Fox Records からリリースした Neal Hefti のアルバム『Li'l Darlin'』から表題曲。このアルバムに先立って、The Four Freshmen の1962年のアルバム『The Swingers』でも取り上げられました。
Should I Or Shouldn't I (Neal Hefti) / Neal Hefti (1964)
アルバム『Li'l Darlin'』からもう1曲。とってもきれいなバラード。このアルバムはこれまで Count Basie and His Orchestra などに提供した楽曲そして新曲が含まれています。Neal Hefti の作曲した楽曲の良さを聴くにはうってつけのアルバムです。
* 写真は Neal Hefti と Frank Sinatra