2019.12.26 - Songwriter | ||
It Hurts To Be Sixteen
Ronnie Grossman aka Neil Sedaka (1963) |
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(2019年は竹内まりやさん大活躍の年でした〜。そこで竹内まりやさんも歌った、"It Hurts To Be Sixteen"。この曲を書いた Ronnie Grossman という人について書いてみたいと思います。)
Songwriterシリーズ、
今回は Ronnie Grossman という人を取り上げます。
楽曲、"It Hurts To Be Sixteen" ですが、作者としてクレジットされている Ronnie Grossman という人物については詳細不明です。今回はこの Ronnie Grossman というソングライターに迫ってみたいと思います。
"It Hurts To Be Sixteen" はオハイオ州クリーヴランド出身の女優、シンガーの Andrea Carroll によって歌われ、1963年に US Billboard 100の45位となります。ソングライターのクレジットは "Ronnie Grossman" という人の単独クレジットです。この曲は、Neil Sedaka のヒット曲、"Happy Birthday, Sweet Sixteen" のアンサーソングとされています。制作元は Neil Sedaka も在籍していた The Tokens と関係が深い東海岸の Bright Tunes Productions でした。しかしこのシングルはそれと関係ない Bigtop Records からリリースされました。
It Hurts To Be Sixteen (Ronnie Grossman) / Andrea Carroll (1963)
"It Hurts To Be Sixteen" は Andrea Carroll 以外の人も取り上げています。Neil Sedaka もその1人で、1964年、イタリア遠征の際に制作したアルバム『Italiano』で、"A 16 Anni Tu Vuoi Amare" というタイトルで歌っています。クレジットは "Ronnye-Grosman-Bardotti" となっており、Bardotti とは Sergio Bardotti で多くの海外の曲のイタリア詩を担当した人です。クレジットにはありませんが、バックコーラスはイタリアのコーラス集団、 I Cantori Moderni di Alessandroni だと思います。
A 16 Anni Tu Vuoi Amare (Ronnye-Grosman-Bardotti) / Neil Sedaka (1964)
Andrea Carroll のバージョンが世に登場して7年後の1970年に Bright Tunes Productions 傘下の B.T. Puppy Records からリリースされた The Chiffons のアルバム『My Secret Love』に "It Hurts To Be Sixteen" が収録されました。これをよく聴いてみるとリード以外のコーラス含めオケは Andrea Carroll のバージョンと同じもののようです。その時の "It Hurts To Be Sixteen" のソングライターのクレジットには "Neil Sedaka-Ronnie Grossman" と記載されています。これはカバーではなく、 The Chiffons が1963年時点で録音したものだったようです。ちなみに The Chiffons が同年の1963年にリリースしたアルバム『One Fine Day』のプロデュースのクレジットは Andrea Carroll と同じ、"Bright Tunes Productions" となっています。
It Hurts To Be Sixteen (Neil Sedaka-Ronnie Grossman) / The Chiffons (1963-1970)
7年もの月日が経って、Neil Sedaka の名前が浮上した訳ですが、その事情はこうだったのではないかと勝手に想像しています。
1963年時点、元々この曲は Neil Sedaka が The Chiffons 向けに書いた曲、アルバム『One Fine Day』のアウトテイクナンバーで、オケを Bigtop Records に売却、Andrea Carroll のバージョンとしてリリースする際、契約上、もしくは何からの事情で、Neil Sedaka の名前も伏せられたのではなかったのか...。
その後、Ronnie Grossman 名義で書かれた曲は、Neil Sedaka がリリースした作品に限っており、その名は1965年辺りでプツンと消滅しています。Neil Sedaka が詩も書いていたという疑問は残るものの、"It Hurts To Be Sixteen" の作者は Neil Sedaka で "Neil Sedaka = Ronnie Grossman"、2人は同一人物だったのかも知れません。
ちなみに Neil Sedaka の姉の名前は Ronnie で、かつて Neil Sedaka は "Ronnie" というタイトルの曲も作っています。
Ronnie Grossman のクレジットが残っている曲をいくつか聴いてみたいと思います。"It Hurts To Be Sixteen" を除いて、全て Neil Sedaka が歌っています。
It Hurts To Be Sixteen (Ronnie Grossman) / Barbara Chandler (1963)
まずは "It Hurts To Be Sixteen" のカバーバージョンを。
1963年、Andrea Carroll のバージョンと同年、Kapp Records からリリースされたシングルで、Barbara Chandler が歌いました。アレンジがとってもキュートで個人的に大好きなバージョン。アレンジを担当したのは Alan Lorber でした。
同年、Lana Jean という女性も歌っており、人気曲だったのが伺えます。
The Dreamer (Ronnie Grossman) / Neil Sedaka (1963)
1963年に Neil Sedaka がリリースしたシングル。Ronnie Grossman の単独クレジットとなっています。いかにも Neil Sedaka が書きそうなメロディーラインで "Neil Sedaka = Ronnie Grossman" 説がますます強くなってきます(笑顔)
Look Inside Your Heart (Ronnie Grossman) / Neil Sedaka (1963)
先の "The Dreamer" のシングルB面に収録されていた曲で、アルバム『Italiano』でもイタリア語で歌っています。"Ronnie Grossman" とは Neil Sedaka-Howard Greenfield の共同名義なのかも知れません。
High On A Mountain (Deep In A Valley) (Hank Hunter-Ronnie Grossman) / Neil Sedaka (1965)
1965年にリリースしたシングルB面。Hank Hunter との共同名義になっています。アレンジを担当したのは Jimmy Wisner。カントリー調の優しいメロディです。
Blue Boy (Hank Hunter-Ronnie Grossman) / Neil Sedaka (1965)
これも1965年にリリースしたたシングルB面。Hank Hunter との共同名義です。ボサノバ調の曲でとってもいい雰囲気です。これも Jimmy Wisner がアレンジを手掛けました。