2020.01.10 - Songwriter | ||
You Don't Need A Gypsy
Michael Gately-Robert John (1972) |
||
(2020年1月5日、SSB『新春放談 (ゲスト:宮治淳一さん)』で、Robert John "You Don't Need A Gypsy" がかかったので)
Songwriterシリーズ、
今回は Michael Gately-Robert John チームを2回シリーズで取り上げます。
まずは Robert John の経歴から話を始めたいと思います。
Robert John こと Robert John Pedrick, Jr. は1946年、ニューヨーク、ブルックリンで生まれています。子どもの頃から歌が上手く、1958年の12才の時、Bobby Pedrick, Jr. の名前で "White Bucks and Saddle Shoes" というシングルをニューヨークの Bigtop Records からリリース、これがヒットします。楽曲制作にあたったのは Doc Pomus-Mort Shuman チームでした。その時の Robert John の声はまだ変声前でした。
変声後、Robert John は自分の持ち味として溌溂なファルセットを多用して歌うようになります。1963年には Bobby And The Consoles というボーカルグループを結成します。Bobby とは Bobby Pedrick, Jr.こと Robert John です。Diamond Records からシングル "My Jelly Bean " をリリース。楽曲制作は Adolphus Morris と言う人と Robert John で、ここか辺から曲作りも行うようになります。
Robert John は Bobby And The Consoles の解散後、The Inferno というグループに所属します。ここで1人の巨漢の男に出会います。これから先、チームで楽曲を制作していく、Michael Gately です。Michael Gately は1942年、ニュージャージーで生まれています。Michael Gately はその大きな体に似合わず、とても繊細なメロディーを作り、優しい声の持ち主でした。
1960年代後半には Bobby Pedrick の名を Robert John に戻して、ソロシングルをリリース。2人は Robert John & Michael Gately のデュオとしてもシングルをリリースしていくことになります。
Michael Gately-Robert John はソングライターチームとして、Lou Christie、Lou Rawls、Gene Pitney、The Brady Bunch、Margie Joseph などにも楽曲を提供していくことになります。
(次回に続く)
第1回目は Robert John が Bobby Pedrick, Jr として歌った初期の頃から、Michael Gately-Robert John がチームとして書いた楽曲を振り返ってみたいと思います。
Stranded(Barry Mann-Sid Jacobson) / Bobby Pedrick, Jr.(1958)
1958年、Doc Pomus-Mort Shuman チームの作品でヒットとなった "White Bucks And Saddle Shoes" のシングルB面です。楽曲は Barry Mann が書きました。 Barry Mann にとってもごく初期に作った作品となります。Bobby Pedrick, Jr. こと Robert John、12才の歌声です。
The Hurt Doesn't Go Away(Michael Gately-Robert John Pedrick) / The Inferno(1966)
Robert John が所属していたグループ、 The Inferno が Date Records からリリースしたシングル。Michael Gately との初めての共作です。記録が見つかりませんでしたが、Michael Gately もこのグループのメンバーだったと思われます。
If You Don't Want My Love(Michael Gately-Robert John Pedrick-Leizer David) / Robert John(1968)
Robert John が1968年に再デビューとしてリリースしたシングル。Robert John のファルセットを生かしたナンバーです。気持ち良いホーンのアレンジは Charlie Calello が施しています。B面の "Don't" という曲は、Robert John & Michael Gately のデュオ名義になっています。プロデュースは Moby Grape などを手掛けることになる David Rubinson です。
When The Party Is Over(Michael Gately-Robert John) / Robert John(1970)
Raindrops, Love And Sunshine(Michael Gately-Robert John) / Robert John(1970)
1970年、A&M Records からリリースしたシングルのAB面。これもファルセットを生かした開放的なナンバーです。ちょっと Spiral Starecase に通ずるサウンドです。プロデュースは George Tobin。A&M Records からは1971年にThe Tokens "The Lion Sleeps Tonight"のカバーをリリース、これが Billboard Hot 100 の3位となり、Robert John の名が広まります。
You Don't Need A Gypsy(Michael Gately-Robert John) / Robert John (1972)
1972年に Atlantic Records からリリースしたシングル。プロデュースは Dave Appell-Hank Medress チーム、そして The Tokens が当たりました。このチームなので、Robert John のファルセットを生かし、コーラスが美しく仕上がりました。
We Can Make the World a Whole Lot Brighter(Michael Gately-Robert John) / "Meet the Brady Bunch"(1972)
ここからは Michael Gately-Robert John が楽曲提供したナンバーを3曲、聴いていきたいと思います。テレビ番組『The Brady Bunch』から飛び出たアルバム『Meet The Brady Bunch』から。この曲、元々は1971年に Gravy というグループに提供した楽曲でした。
I Can't Move No Mountains (Michael Gately-Robert John) / Margie Joseph(1975)
1975年、ソウルシンガーの Margie Joseph が取り上げた楽曲。プロデュース、アレンジは御大、Arif Mardin。いいグルーヴをしています。この曲は Blood, Sweat & Tears など多くのミュージシャンが取り上げました。
Will We Ever Come Together (Michael Gately-Robert John) / Black Ivory(1975)
Michael Gately-Robert John が1975年に Black Ivory というソウルグループに提供した曲。彼らが Buddah Records からリリースしたアルバム『Feel It 』の1曲目に収録されていたスィートソウル・ナンバー。プロデュースは Patrick Adams。