2020.02.13 - Cinema Music Composers
Two Lovers Two Lovers
Johnny Williams

(1966)

(2019年12月、『スターウォーズ』シリーズが完結した記念に、John Williams を取り上げたいと思います(笑顔)。)

Cinema Music Composers シリーズ
今回は Johnny Williams を取り上げます。

現在の映画音楽界において、その実力とともに最も人気ある映画音楽家、John Williams ですが、今回はその John Williams の1960年代を中心に初期の頃、"Johnny Williams" と名乗っていた時代を限定に取り上げていきたいと思います。

John Towner Williams は1932年、ニューヨーク州、フローラルパークで生まれています。父親はジャズのパーカッション奏者だったそうです。1940年代後半にロサンゼルスに移り住み、学生ジャズバンドに参加。1950年代初頭に徴兵でアメリカ空軍に入隊、軍隊でも音楽活動をやっていたそうです。除隊後、1955年にジュリアード音楽院に入学し、音楽理論を学びます。同時にジャズ・ピアニストとしてもクラブ等で弾くようになります。

ロサンゼルスに戻った John Williams は音楽作曲家の Henry Mancini の下でセッション・ピアニストとして働き出します。テレビドラマ『Peter Gunn』、『Mr. Lucky』などで John Williams はピアノを弾いています。この Henry Mancini 楽団での演奏が接点となり、John Williams 自身もテレビや映画の音楽を手掛けるようになります。同時に Johnny Desmond、James Darren、Frankie Laine、Ann Margret など当時のアイドルやシンガー達のアレンジも手掛けています。

John Williams が最初期に手掛けたテレビ番組は『Bachelor Father』(1957-1962)、その後1960年代に入るとテレビプロデューサー、アーウィン・アレン(Irwin Allen)が手掛けたSFテレビ番組『宇宙家族ロビンソン』(Lost in Space、1965-1968)、『タイムトンネル』(The Time Tunnel、1966)などの音楽を手掛けるようになります。

映画音楽の方は1961年の映画『独身(バチェラー)アパート』(Bachelor Flat)の音楽を担当。その後、1966年に映画『おしゃれ泥棒』(How to Steal a Million)、映画『美人泥棒』(Penelope)、1967年に映画『ニューヨーク泥棒結社』(Fitzwilly)とコメディタッチの映画の音楽を担当します。同年に映画『哀愁の花びら』(Valley of the Dolls)。1969年には映画『華麗なる週末』(The Reivers)、映画『チップス先生さようなら』(Goodbye, Mr. Chips)など。1972年には再度、アーウィン・アレンからの依頼で、2つのパニック映画『ポセイドン・アドベンチャー』(Poseidon Adventure、1972)、『タワーリング・インフェルノ』(The Towering Inferno、1974)の音楽を担当しました。『未知との遭遇』、『スターウォーズ』への音楽の道筋をつけたのはこのアーウィン・アレン製作の作品群でした。


Aunt Orsavella(John T. Williams) / John T. Williams(1957)

John T. Williams 名義でリリースしたアルバム『Jazz Beginnings』から。John Williams のピアノを中心にジャズカルテットものです。ピアノがかなり上手いことがわかります。当時、ピアニストとして Henry Mancini など多くのミュージシャンに重宝されました。


Tuesday's Theme From "Bachelor Flat"(Johnny Williams) / Johnny Williams(1961)

Johnny Williams が最初期に手がけた1961年の映画『独身(バチェラー)アパート』から。1962年に Columbia Records から Johnny Williams And His Orchestra 名義でシングルがリリースされています。とっても可愛らしいワルツ曲です。


Not With My Wife You Don't (Johnny Williams) / Johnny Williams(1967)

1967年公開の映画『おれの女に手を出すな』(Not With My Wife You Don't)から主題歌。時代に合わせボーカル入りのロック寄りの粋なナンバー。この頃のコメディタッチで楽しい曲が多いですね。


Big,Beautiful Ball From "Not With My Wife, You Don’t" (Johnny Williams-Johnny Mercer)/ Johnny Williams(1967)

Big,Beautiful Ball(Johnny Williams-Johnny Mercer) / Barbara Eden(1968)

同じく、映画『おれの女に手を出すな』からタイトルバック。タイトルバックは Saul Bass が担当しています。現在、映画は簡単に観ることはできませんが、楽しそうな映画です。テレビ番組『Hollywood Palace』で Barbara Eden が歌っているものも合わせて。


The Time Tunnel Opening and Closing Theme(Johnny Williams) / Johnny Williams(1966)

1960年代、日本でも放送になったアーウィン・アレン製作のSFテレビ映画『タイムトンネル』(The Time Tunnel、1966)のタイトルバック。主人公はシンガーでもあるジェームズ・ダーレン(James Darren)でしたが、Johnny Williams はジェームズ・ダーレンのボーカルアルバムでもアレンジャーとして参加しています。


Guide For The Married Man(Leslie Bricusse-Johnny Williams) / The Turtles(1967)

1966年の映画『プレイラブ48章』(Guide For The Married Man)の主題歌。Leslie Bricusse の詩を書いて、The Turtles が歌いました。1967年に White Whale Records からシングルがリリース。映画の方はジーン・ケリー(Gene Kelly)が監督を務めたロマンティック・コメディです。


Make Me Rainbows(Alan & Marilyn Bergman-Johnny Williams) / Johnny Williams(1967)

1967年の映画『ニューヨーク泥棒結社』(Fitzwilly)から。どっても洒落た曲調です。詩は Bergman 夫妻が書いています。この曲は当時人気があったようで、 Nancy Wilson も録音しています。


How to Steal a Million(Johnny Williams) / Johnny Williams(1966)

Two Lovers(Johnny Williams-Leslie Bricusse) From "How to Steal a Million" / Johnny Williams(1966)

1966年の映画『おしゃれ泥棒』(How to Steal a Million)はウィリアム・ワイラー(William Wyler)監督、オードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)主演による作品で、Johnny Williams にとっても初の大型映画となりました。冒頭から、軽快でスマートなスコアで魅了しました。合わせてロマンチックなバラード "Two Lovers" も合わせて。詩は Leslie Bricusse が付けました。


(富田英伸)

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