2020.06.11 - Songwriter
Since I Fell For You Since I Fell For You
Buddy Johnson

(1945)

(2020年6月7日SSB「山下達郎ライブで棚からひとつかみ 色々編」で、"Since I Fell For You" がかかったので)


Songwriterシリーズ
Buddy Johnson を取り上げます。

今回は、Buddy Johnson が書いた楽曲、"Since I Fell For You"、そしてクラシックとなったジャズナンバーやブルースナンバーを聴いていきたいと思います。

Buddy Johnson は1915年、サウスカロライナ州のダーリントンで生まれています。子どもの頃からピアノを弾いて音楽に慣れ親しんでいたそうです。1930年代後半に ニューヨークのナイトクラブ、Cotton Club に出演するようになり、1939年に Buddy Johnson And His Band を結成、Decca Records と契約します。同年、The Mack Sisters をボーカルに招いてシングル "Stop Pretending (So Hip You See)" をリリース。その後、Buddy Johnson の4才年下の妹、Ella Johnson が楽団のボーカリストとして加わります。
1940年に、Ella Johnson がボーカルを取った "Please, Mr. Johnson" がヒット。Buddy Johnson が演奏した楽曲を Lionel Hampton、Count Basie 楽団などが取り上げていくようになります。

1945年に Buddy Johnson And His Orchestra 名義で "Since I Fell For You" をリリース。歌ったのは Ella Johnson です。当初はあまり注目を集めなかった楽曲でしたが、Doo Wop グループの The Harptones、そして Louis Armstrong、Lee Morgan、Earl Grant といったジャズミュージシャンが取り上げていくことになります。1963年、Lenny Welch が歌ったバージョンが Billboard Hot 100 の4位となり、多くの人がこの曲を知るようになります。その時のアレンジ、コンダクターは Archie Bleyer です。

Buddy Johnson は1953年に Mercury Records に移籍。1960年代初頭辺りまで音楽活動を続けました。Buddy Johnson は1977年に62才で亡くなり、Ella Johnson は2004年に亡くなりました。


Buddy Johnson が書いた楽曲、"Since I Fell For You" が初めてリリースされたのが1945年。その後、多くのミュージシャンが取り上げた曲です。今日はここから以下の4バージョンを聴いてみたいと思います。この楽曲は時代を経ることによって歌ったミュージシャンが磨きをかけていった感があります。

Since I Fell For You (Buddy Johnson) / Buddy Johnson and His Orchestra with Ella Johnson (1945)

Since I Fell For You (Buddy Johnson) / The Harptones (1953)

Since I Fell For You (Buddy Johnson) / Lenny Welch (1963)

Since I Fell For You (Buddy Johnson) / Barbra Streisand (1971)

"Since I Fell For You" の聴き比べを。初録音は1945年、Buddy Johnson and His Orchestra 名義で Decca Records からリリース。Buddy Johnson の妹の Ella Johnson が歌いました。
1945年に DooWop グループの The Harptones が歌いました。The Harptones は1953年にニューヨークで結成された Doo Wop グループでリードボーカルは Willie Winfield という人です。DooWop グループで同時期にこの曲を取り上げたグループに The Spaniels がいます。
1963年に Lenny Welch が取り上げ Cadence Records からシングルリリース。Billboard Hot 100 の4位となります。Cadence Records のオーナーでもある Archie Bleyer がアレンジを担当しました。この頃からヴァースから歌い出すのが一般的になります。
1971年に Barbra Streisand が取り上げ、シングルリリースしました。アレンジは Gene Page が担当。とりわけ好きなバージョンです。



Jammin' in Georgia (Buddy Johnson) / Buddy Johnson and his Band (1939)

ここからは上記以外に Buddy Johnson が書いていた楽曲を。この曲がデビュー曲となります。歌っているのは The Mack Sisters のいうグループ。途中のピアノは Buddy Johnson 自身のようです。ちょっとユーモアのある明るめのブルースナンバーです。


Baby, Don't You Cry (Buddy Johnson) / Arthur Prysock (1953)

Baby, Don't You Cry (The New Swingova Rhythm) (Buddy Johnson) / Ray Charles And His Orchestra (1964)

Arthur Prysock は Buddy Johnson によって見出されたR&B シンガーで、"Since I Fell For You" を始め、Buddy Johnson の楽曲を歌ってきた人です。
1953年、Arthur Prysock が Decca Records からリリースしたブルースバラード。低音ボイスがとっても魅力的です。
1964年に Ray Charles が自身の楽団をバックに取り上げました。バラードナンバーを大胆にアップテンポにして歌いました。


Let's Start All Over Again (Buddy Johnson) / Tony Williams (1957)

The Platters のリードシンガーだった Tony Williams が1957年にリリースした作品。"Only You (And You Alone)" と同様にしなやかな声で歌いあげています、この曲は後に Lenny Welch も取り上げました。


It's Too Late, Baby Too Late (Buddy Johnson-Texas Johnny Brown) / Arthur Prysock (1965)

Arthur Prysock が再度登場です。1952年にソロになっても Buddy Johnson and His Orchestra の演奏をバックにレコードをリリースしました。この曲は1965年に制作された楽曲で、Hot R&B の11位となりました。低い声が魅力的です。


I Don't Care Who Know (Buddy Johnson) / Buddy Johnson And His Orchestra with Ella Johnson (1948)

I Don't Care Who Knows (Baby, I'm Yours) (Buddy Johnson) / Roberta Flack (1994)

1948年に Buddy Johnson And His Orchestra 名義でリリースしたバラードを。ボーカルは Ella Johnson。Buddy Johnson のピアノもいい感じに鳴っています。
1994年に Roberta Flack がアルバム『Roberta』で取り上げました。Barry Miles がプロデュースを担当。


Save Your Love For Me (Buddy Johnson) / Buddy Johnson And His Orchestra (1955)

Save Your Love For Me (Buddy Johnson) / Randy Crawford & Joe Sample (2006)

最後はこの曲を。1955年に Buddy Johnson And His Orchestra 名義でリリース。歌っているのは Floyd Ryland というシンガーです。この人も低音に魅力ある人です。
この曲も Lou Rawls、Nancy Wilson などが取り上げていますが、今回は Randy Crawford & Joe Sample のバージョンで。2006年リリースのアルバム『 Feeling Good』から。プロデュースは Joe Sample と Tommy LiPuma です。


* 写真は Ella Johnson、Buddy Johnson。


(富田英伸)

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