2020.10.12 - Songwriter | ||
It's The Same Old Love
Gary Knight-Gene Allan (1972) |
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(2020年10月11日SSB「スィートソウル特集」で、 J Kelly & The Premiers "She Calls Me Baby" がかかりました。Songwriterシリーズ2016年1月22日分をアップグレードして再アップします。)
Songwriterシリーズ、
Gary Knight-Gene Allan について取り上げます。
アメリカ東海岸のソングライター・チーム、Gary Knight-Gene Allan について。2名とも一般的にはあまり知られていませんが、60年代初頭は各々の活動でそれぞれ大きなヒット曲を持つソングライターです。
Connie Francis が1962年にリリースした超有名曲、"Vacation" のクレジットは Connie Francis-Gary Weston-Hank Hunter となっていますが、Gary Weston は Gary Knight とのこと。また Gene Allan は1964年に Bobby Vinton がリリースした、"Mr. Lonely" のクレジットに Bobby Vinton と一緒に名を連ねています。
2人がコンビを組む前の経歴にざっと目を通してから、彼らがコンビを組んだ1970年代初頭のブラック・ミュージック作品、特に"スィートソウル"を聴いていきたいと思います。
Gary Knight は1960年中期には、その多くを Bob Crewe のプロダクションで曲作りをしています。代表的な作品は Lesley Gore が1967年にリリースしたアルバム『California Nights』で "Treat Me Like A Lady" を初め、Bob Crewe と3曲程共作しています。Bob Crewe 関連では、Mitch Ryder & The Detroit Wheels、The Good Earth Trio、George'n' Sonny Sands などで名前を見つけることができます。
Gene Allan は Bobby Vinton の "Mr. Lonely" に続いて、"Her Name Is Love"、"Where Were You All of My Life?" と Bobby Vinton と連作、その後は Don Kirshner のプロダクションで、Ron Dante と組み、The Archies や Gary Lewis & The Playboys、Jimmy Clanton などの楽曲を手掛けていきます。
1970年頃に入る頃になると2人は Jerry Ross のプロダクションで働くようになり、そこで共作を開始します。2人はこれまでの白人シンガー、白人グループからソウル寄りのミュージシャンを手掛けていくことになります。いずれもヒットには至らなかったですが、2人の作った作品はいずれも質が高く、いい曲ばかり。Gary Knight-Gene Allan の作品で僕の好きな曲を聴いていきたいと思います。
Don't Ask Me To Forget (G.Knight-G.Allan) / Jay And The Techniques (1975)
Jerry Ross のプロダクションで中心的存在の Jay And The Techniques。その後期の作品です。 プロデュースは Jerry Ross 本人でアレンジは Joe Renzetti。気持ちいいアップテンポ・ナンバーです。
Look But Don't Touch(G.Knight-G.Allan) / Donny Beaumont(1975)
プロデュースは G. Knight-G. Allan。アレンジは Gary Knight と Brad Baker。Brad Baker という人は、Alzo & Udine でもアレンジをやっていた人です。Sarah Dash という女性もこの曲を取り上げています。Donny Beaumont については不明。
I Dedicate My Love To You (G.Knight-G.Allan) / Adam Wade (1977)
Adam Wade は1959年から活躍しているシンガー兼ドラマー、TV俳優もやっていたそうです。1977年に Kirshner Records からアルバム『Adam Wade』をリリース。全面的にプロデュースを G. Knight-G. Allan が担当しています。2人がアルバム全体を手掛けている数少ない作品の1つ。2人が作り出す"スィートソウル"は格調の高さを感じます。
It's The Same Old Love (G.Knight-G.Allan) / Courtship(1972)
Love Ain't Love (G.Knight-G.Allan) / Courtship(1972)
Oops It Just Slipped Out (G.Knight-G.Allan) / Courtship(1972)
後期の Jerry Ross のプロダクションの中で特に気に入ったグループが Courtship でした。クレジットを全て G.Knight-G.Allan となっており、この2人を追っかけるきっかけになりました。聴けば聴くほど染みてきます。僕のベスト・オブ・スィートソウルです。"It's The Same Old Love" のアレンジは Thom Bell。 "Love Ain't Love"、"Oops It Just Slipped Out" のアレンジは Bobby Martin が担当。"It's The Same Old Love" は後に Jerry Ross が 自身のユニット、The Jerry Ross Symposium で取り上げています。
She Calls Me Baby(G.Knight-G.Allan) / J. Kelly & The Premiers(1973)
Signed Sealed Delivered (My Heart)(G.Knight-G.Allan) / J. Kelly & The Premiers(1973)
J. Kelly & The Premiers については詳細不明ですが、1970年に リーダーの John Kelly と Robert Lewis が作った "Lonely Weatherman" という曲をリリースしています。本作は1973年、Roadshow Records からリリースしたAB面。アレンジ、プロデュース共に Gary Knight-Gene Allan で Sigma Sound Studios の録音です。
1970年後半になると時代はディスコ・ミュージックの時代ですが、Gary Knight-Gene Allan はそのディスコにも挑戦しています。詳細は以下を参照ください。
Songwriterシリーズ
Shine on Silver Moon Gary Knight-Gene Allan [Songwriter]